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印刷の基礎知識

オーバープリント(スミノセ)とは 取り扱い方や注意点を解説

オーバープリントに関わるトラブルについて

画面上では同じように見えても、黒の種類によって印刷の仕上がりが変わります

K100%のオブジェクトとリッチブラックのオブジェクトでは、画面上は同じように見えます。
ですが、K100%のオブジェクトはオーバープリント処理を行うため、リッチブラックのオブジェクトとは印刷の仕上がりが異なってきます。
印刷の黒の種類「スミベタ(K100%)/リッチブラック/4色ベタ」について

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オーバープリント処理の比較

オーバープリントとは

オーバープリントとは、色を「重ねて印刷」する事です。オーバープリントは、「ノセ(スミノセ)」とも呼ばれています。

オーバープリント処理がされていない場合

オーバープリント処理がされていない場合のイメージ

背面に色がある場合、K100%のオブジェクト(文字)の周りに細い白フチが出ることがあります。これは『見当ズレ(版ズレ)』と言われる状態で、色と色の間にわずかに隙間ができるのが特徴です。

印刷は「K(ブラック)」→「C(シアン)」→「M(マゼンタ)」→「Y(イエロー)」の順でインキを重ねていきますが、 各色のインキが用紙に付着する際に用紙がわずかに伸縮していきます。そのため図のように、白い隙間が出来てしまうのです。

オーバープリント処理がされている場合

オーバープリント処理がされている場合のイメージ

上記1の様な印刷を防ぐために弊社では、製版時にK100%で作られたオブジェクト(ベクトルデータ)に対して、すべてオーバープリントの処理を行っております(図参照)。こうすることで、製作上頻繁に使用されるスミ文字での見当ズレを防ぐことが出来ます。 意図的にオーバープリント処理を避けたい場合は印刷するオブジェクトに合わせて、K100%とリッチブラックを使い分ける必要があります。

抜き合わせとの違いとそれぞれのメリット

オーバープリント(ノセ)

オーバープリントは、重なり合う部分の文字や線、図形などを、下地の色の「上に重ねて」印刷する処理のことです。「ノセ」とも呼ばれます。見当ズレが目立ちにくい点がメリットです。

抜き合わせ(ヌキ・ノックアウト)

抜き合わせは、重なり合う部分の下地の色を「抜いて」、上の色だけを印刷する処理のことです。「ヌキ」や「ノックアウト」とも呼ばれます。色の再現性が高くなる点がメリットです。

オーバープリント(ノセ)と抜き合わせ(ヌキ・ノックアウト)の違い

抜き合わせとオーバープリントの特徴
抜き合わせ(ヌキ・ノックアウト) オーバープリント(ノセ)
処理方法 下地の色を抜いてから、上の色を刷る 下地の色の上に、上の色を重ねて刷る
色の状態 上の色と下の色が混ざらない 下地の色と混ざり、やや深みのある色になる
主な目的 色の正確な再現性、クリアな仕上がり 見当ズレ防止、色の深み、安定した印刷
適した用途 鮮やかな色や淡い色、写真など 小さな文字、細い線、罫線、ロゴなど
見当ズレ 目立ちやすい 目立ちにくい

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オーバープリントの注意点

K100は必ずオーバープリントとして処理されます

弊社では、K100%のブラックに対してのみ自動的に「オーバープリント」処理がされ、それ以外の色は「抜き合わせ」処理となります。(弊社を含め、ほとんどの印刷会社でも同様です。)
これは、見当ズレによって白い隙間が生じるのを防ぐためです。この自動処理は、小さな文字や細い線の視認性を高める上で非常に有効ですが、意図しない色の変化が起こる可能性があるため、注意が必要です。

「ノセ」はIllustratorまたはIndesignで、K100%を設定したベクトルデータに対して行われます。

黒の面積が広い場合は透けて見える可能性があります

オーバープリントされたK100%の黒は、下の色が透けて見えることがあります。これを防ぎ、より深みのある黒を表現するためには、K100%にCMYのインクを少量混ぜたリッチブラックを使用します。リッチブラックは通常、抜き合わせで処理されるため、下地の色に影響されることなく、しっかりと黒を表現できます。

K100%にしたことで、意図せず下の色が透けてしまった失敗例

オーバープリントの失敗例1

オーバープリントの失敗例2

設定によるオーバープリントは無効になります

Adobe Illustrator および InDesignでは、ウインドウメニューの「属性」パネルからオーバープリントを設定することができます。しかし、弊社の製版システムでは、設定は無視され、原則的にオーバープリントはかかりません。これは、予期せぬ色変化や印刷トラブルを避けるための対応です。透明効果を得るためなどに、このオーバープリント属性を使用しないようにご注意ください

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用紙の特性に合わせたカラー設定について

用紙によって、使用できる濃度の許容値が異なります。下記をご参考のうえ、アプリケーションのカラー設定を行い、適切な濃度にてデータを作成されることをお薦めいたします。

アプリケーションのカラー設定については、「印刷の基礎知識」内のAdobeアプリケーションのカラー設定のページでも詳しく解説しております。

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