年賀状のサイズと写真のポイントを解説!
年賀状の作成で意外と見落としがちなのが「サイズ」と「写真の選び方」です。適切なサイズを理解し、写真やデザインを工夫することで、より印象的な年賀状が完成します。本記事では、年賀状のサイズや比率、写真選びやデザインのコツについて詳しく解説します。
年賀状の基本サイズと比率は?
年賀状の基本サイズ
年賀状の基本サイズは「100mm × 148mm(10cm × 14.8cm)」です。このサイズは日本郵便が発行する年賀はがきや郵便はがきと同じで、郵送に対応する正式な寸法です。また、郵便局の自動仕分け機が読み取れるよう、このサイズが標準化されています。
この基本サイズに合わせることで、封筒なしでそのままポストに投函でき、通常はがき料金で全国どこへでも届けられます。印刷会社で年賀状を注文する場合や、自宅のプリンターで印刷する場合も、このサイズに準拠して作成するのが基本です。
なお、年賀状のサイズは、最小90mm × 140mm 〜 最大107mm × 154mm の範囲内であれば、通常はがき料金で郵送することができます。
| 種別 | 種類 | 最大サイズ | 最小サイズ | 重量 | 料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第二種郵便物 | 通常はがき | 154×107mm | 140×90mm | 2~6g | 85円 |
| 往復はがき | 2つ折りの状態で 154×107mm |
2つ折りの状態で 140×90mm |
4~12g | 170円 | |
| 第一種郵便物 | 定型 | 235×120×厚み10mm | 140×90mm | 50g以内 | 110円 |
| 定型外(規格内) | 340×250×厚み30mm | 円筒形からこれに似たもの:長さ140×直径30mm それ以外のもの:140×90mm(*特例) |
50g以内 | 140円 | |
| その他については日本郵便様のページをご覧ください | |||||
*特例:制限より小さなものでも6cm×12cm以上の耐久力のある厚紙または布製のあて名札を付ければ差し出すことができます。
年賀状の比率
年賀状の縦横比は1:1.48で、わかりやすくすると「約2:3」です。この比率を意識することで、写真やテキストの配置にバランスが生まれます。たとえば横型のレイアウトでは、中央に写真、上下にコメントや干支イラストを配置すると見栄えが良くなります。
逆にこの比率を無視してデザインすると、情報が詰まりすぎたり余白が不自然になったりして、見た目がチグハグになりがちです。比率を意識することは、年賀状作成の基本とも言えます。
年賀状を美しく印刷するための画素数って?
年賀状に写真を入れる場合、印刷の仕上がりを左右するのが画像の「解像度(画素数)」です。解像度が低いと、ぼやけたりドットが目立ったりしてしまいます。印刷に適した目安は「350dpi(dots per inch)」で、これは写真を高画質で表現するために必要な解像度です。
適切な解像度の例
解像度が低い例
年賀状(100mm × 148mm)の全面に写真を印刷する場合、画像サイズは「約1461px × 2122px」が推奨されます。この数値は、上下左右3mm分の塗り足しを含んだ、解像度350dpiの場合の数値です。
配置する写真の大きさに応じて、ピクセル数は変わります。サイズに応じたピクセル数を算出できる画像解像度の計算ツールをご用意しています。
スマートフォンで撮影した写真を使用する場合も、解像度の設定やトリミングに注意して、できるだけ元の画像を劣化させないようにしましょう。
また、編集や拡大を繰り返すと画質が落ちやすいため、できるだけオリジナルサイズで使用するのがベストです。
年賀はがきに美しく収まるデザインのコツ
デザインを美しく仕上げるには、単に写真やイラストを入れるだけでなく、「配置」や「余白」、「書き込みスペース」なども計算に入れる必要があります。年賀状のサイズに合わせた工夫が大切です。
ひと言を書くスペースを設ける
デジタルで完成度の高いデザインを作るのも良いですが、もらった相手にとって嬉しいのは、やはり「手書きのひと言」です。そのためにも、文字を書けるスペースをあらかじめレイアウトに入れておきましょう。
写真やイラストで全面を埋め尽くしてしまうと、書き込む場所がなくなってしまいます。右下や中央下部などに余白を残すと、自然なかたちで手書きメッセージを添えることができます。
年賀状サイズを踏まえてデザインを作成する
年賀状の実寸(100×148mm)を基準に、デザイン全体を作ることが大切です。特に印刷会社に依頼する場合は「塗り足し」と「文字切れ」を意識したデータ作成が必要です。
また、表と裏の向きにも注意し、受け取る側にとって読みやすくなるよう心がけましょう。
塗り足し
紙端いっぱいまで背景色や写真を配置したい場合は、年賀状サイズよりも上下左右に3mmずつ広げた大きさまで広げることで、周囲に白フチが出るのを防ぐことができます。この上下左右に3mmずつ拡張した領域を「塗り足し」と呼びます。

文字切れ
印刷会社では、大きめの用紙に印刷した後に、注文サイズに断裁します。この時、断裁がわずかにずれる場合があるため、紙端ギリギリに情報がデザインされていると、カットされてしまう恐れがあります。これを「文字切れ」と呼びます。文字切れを回避するために、重要な要素(文字や顔写真など)は、紙端から上下左右3mm以上内側に配置します。

年賀状テンプレートを利用する
初心者やデザインに自信がない方は、年賀状用のデザインテンプレートを活用するのがオススメです。郵便局の公式サイトやCanvaには、干支入りや写真枠付きなど、豊富なデザインが用意されており無料で使用できます。
デザインテンプレートを使えば、年賀状のサイズに合ったレイアウトがすでに整っているため、写真を差し替えるだけで簡単に完成します。自宅印刷にも対応しているものが多く、年賀状作成の強い味方になります。
中級者の方や、上級者の方にお勧めするのは、印刷会社が無料で配布している塗り足しガイドや文字切れガイドが設定された、データ作成用テンプレートです。デザインは一から作成する必要はありますが、データ作成用テンプレートを利用することで、データ作成の時短につながります。
年賀はがきに適した写真選びのポイント
年賀状に写真を使用する際には、解像度や比率だけでなく、「選ぶ写真の内容」や「配置バランス」にも注意が必要です。少しの工夫で、グッと魅力的な一枚になります。
写真サイズの調整を行う
選んだ写真が年賀状サイズに合わない場合、リサイズやトリミングで調整する必要があります。特にスマートフォンやデジカメで撮影した縦長・横長の画像は、トリミングで構図が崩れないよう注意が必要です。
オリジナルのアスペクト比を維持しつつ、年賀状の縦横比(2:3)に合わせたサイズ調整を行うと、美しく収まります。
写真の配置を工夫する
人物写真を使用する場合は、目線の高さや顔の位置に気をつけましょう。中央に配置するとバランスが良く、余白も取りやすくなります。複数人が写る場合は、左右の空間を均等に取り、名前やメッセージを添えるスペースを意識しましょう。
背景がごちゃごちゃしている場合は、ぼかしを加えるなどの加工で人物が際立つようにするのも効果的です。



解像度をしっかり確認する
写真の見た目は、印刷したときに最も違いが出ます。SNSやスマホ上では綺麗に見えても、印刷時に粗さが目立つことがあります。必ず350dpi以上の解像度があるかを確認し、できるだけ高画質のまま使用することを意識しましょう。
専門の高品質印刷サービスを活用する
自宅プリンターで印刷する場合、インクの種類や用紙によっては写真の色味や質感が思った通りに出ないことがあります。より美しい仕上がりを求めるなら、写真印刷に強い専門業者の年賀状サービスを利用するのがオススメです。
プロによるカラー補正や光沢仕上げ、高級感のある用紙の使用、箔押し加工、宛名の印刷など、自宅では再現できない品質で年賀状を仕上げられます。
まとめ
年賀状のサイズ(100×148mm)や比率(2:3)を正しく理解することで、写真やデザインの配置が自然になり、美しい仕上がりにつながります。また、写真の解像度や配置、テンプレートの活用、印刷サービスの選定など、小さな工夫を積み重ねることが大切です。
今年の年賀状は、サイズにしっかり配慮しながら、相手に想いが伝わる1枚を作ってみてはいかがでしょうか。



