名刺交換のあと、相手が自社サイトやSNSをわざわざ調べてくれるとは限りません。ただし、名刺にQRコードを載せておけば、そのひと手間を大きく減らせます。
読み取るだけでWebサイトやSNSにアクセスできるため、名刺交換後の次の行動を自然に促せるのです。この記事では、名刺にQRコードを入れるメリットや作り方、印刷前に確認しておきたい注意点まで、順を追ってわかりやすく解説します。
QRコードとは
QRコードとは、数字や文字、URLなどの情報を2次元のパターンに変換して格納できるコードです。1994年に日本の日本電装株式会社(現在の株式会社デンソー)の開発部門(現在の株式会社デンソーウェーブ) が開発した技術で、「Quick Response(素早い反応)」の頭文字をとって名付けられました。
一般的なバーコードが横方向にしか情報を持てないのに対して、QRコードは縦横の2方向に情報を格納できます。そのため、格段に多くのデータを小さなスペースに収められるのが大きな特徴です。数字であれば最大7,089文字、漢字・かなであれば最大1,817文字のデータを1つのコードに格納できます。
現在はiPhoneもAndroidも、標準カメラアプリをかざすだけでQRコードを読み取れる環境が整っています。専用アプリを別途インストールしなくても使えるため、ビジネスシーンで「当たり前のツール」として定着しつつあります。
名刺にQRコードを入れるメリット
名刺にQRコードを入れることで、紙だけでは伝えられなかった情報を相手に届けられるようになります。単に「便利そう」という印象にとどまらず、商談後の行動を後押しする営業ツールとして機能するのが大きな魅力です。
ここでは代表的なメリットを2つ紹介します。
小さなスペースで多くの情報を伝えられる
一般的な名刺のサイズは55×91mmです。この小さな紙面に企業名・氏名・役職・電話番号・メールアドレス・住所などを詰め込もうとすると、どうしても窮屈なデザインになってしまいます。情報が多すぎると視認性が下がり、かえって大切な情報が目に入らなくなってしまう、という逆効果が生まれることもあります。
QRコードを活用すると、名刺の限られたスペースでも多くの情報を届けやすくなります。
- 名刺本体には必要最低限の情報だけを載せられる
- ホームページや実績ページ、動画、SNSなどへ誘導できる
- 情報量を増やしても、名刺の見た目をすっきり保ちやすい
その結果、名刺はすっきり見せつつ、届けられる情報量は増やせます。また、複数のSNSを運用している場合でも、LinktreeのようなSNSまとめサービスのURLをQRコードに設定すれば、1つのコードで全プラットフォームへ誘導できます。
名刺に複数のアカウント名を列挙しなくてよいため、デザインの統一感も保てます。
【活用方法】ビジネスの場で伝えきれなかったことを一言PR
商談では、時間の都合ですべてを説明しきれないことがあります。そんなときは、QRコードを補足情報への入口として活用するのが効果的です。
名刺を渡す際に、次のようにひとこと添えるだけでも、相手の印象に残りやすくなります。
- 「こちらのQRコードから導入事例をご覧いただけます」
- 「実績や受賞歴はこちらにまとめています」
- 「サービスの詳細は、こちらからご確認いただけます」
リンク先は、ホームページのトップページではなく、目的を絞ったページに設定するのがおすすめです。
- 導入事例ページ
- 実績紹介ページ
- サービス紹介ページ
- 採用情報ページ
相手が知りたい情報へすぐにたどり着けるようにしておくことで、名刺交換後の行動につながりやすくなります。
URLを手入力させないことでアクセス率が高まる
名刺にURLを印刷していても、実際にそのURLを手入力してアクセスしてもらえるとは限りません。文字列が長いURLや、英数字・記号が多いURLは、とくに入力の手間がかかります。打ち間違いも起こりやすいため、せっかくの導線が機能しないまま終わってしまうこともあります。
その点、QRコードであればスマートフォンをかざすだけでアクセスできます。URLを入力する必要がないため、サイトや問い合わせフォーム、申し込みページへの誘導をスムーズに行いやすくなります。
さらに、アクセス解析用のパラメータを設定しておけば、名刺経由でどれくらいアクセスがあったかも把握しやすくなります。紙の名刺でありながら、反応を数値で確認しやすいのもメリットです。
【活用方法】名刺交換後の次の行動につなげる
QRコードのリンク先は、名刺交換の目的に合わせて使い分けることが大切です。ホームページのトップページに誘導するだけでなく、相手が次に行動しやすいページへ案内すると効果が高まります。
たとえば、次のような誘導先が考えられます。
- 営業目的:問い合わせフォーム、資料ダウンロードページ
- 採用目的:採用ページ、社員インタビュー動画
- 店舗集客目的:Googleマップの店舗ページ、予約フォーム
- 接点づくり:LINE公式アカウントの友だち追加ページ
相手が「次にどんな行動を取りやすいか」を意識してリンク先を設計することが、QRコード活用のポイントです。
QRコード付き名刺の作り方
QRコード付き名刺の作り方は大きく分けて4つあります。コストや手間、仕上がりの品質などそれぞれに特徴があるため、自分の目的や状況に合った方法を選ぶことが大切です。
| 作り方 | 向いている人 |
|---|---|
| QRコード作成サイトを使う | 費用を抑えたい人 |
| SNSアプリのQRコードを使う | SNSへ案内したい人 |
| デザインテンプレートを使う | デザイン性も重視したい人 |
| 名刺印刷業者に依頼する | 品質や安心感を重視したい人 |
QRコード作成サイトを使って作る
Adobe ExpressやQRコード生成サービスを使えば、URLを入力するだけで手軽にQRコードを作成できます。アカウント登録が不要なものも多く、短時間で画像データとして出力できるのが魅力です。
一方で、注意したい点もあります。
- レイアウトや配置は自分で調整する必要がある
- 解像度や余白など、印刷に適した条件を自分で確認しなければならない
- Web向けの低解像度画像だと、印刷時に読み取りにくくなる場合がある
QRコード作成サイトの活用は、費用を抑えたい方や、デザイン作業にある程度慣れている方に向いている方法です。
SNSアプリを活用する
LINE・Instagram・X(旧Twitter)などの主要SNSは、アプリ内から自分のアカウントのQRコードを無料で生成できます。数タップで作成できるため、手軽さは4つの方法のなかで最も高いといえます。
一方で、注意点もあります。
- 印刷向きの高解像度データではない場合がある
- 画面上では問題なくても、印刷すると粗く見えることがある
- リンク先がSNSアカウントに限られる
ホームページや専用ページではなく、SNSアカウントへの案内をシンプルに行いたい場合に向いています。
デザインテンプレートを使って作成する
Canvaなどのオンラインデザインツールには、QRコード付き名刺のテンプレートが豊富に用意されています。デザイン経験がなくても、一定水準の見た目に整えやすいのが特長です。
主な特徴は次の通りです。
- テンプレートを使って見た目を整えやすい
- フォントや色を変えてオリジナル感を出せる
- コストを抑えながらデザイン性も確保しやすい
注意したい点は次の通りです。
- 印刷用データとして書き出す際に解像度の確認が必要
- 実寸で見たときにサイズがずれないか確認する必要がある
デザイン性にもこだわりたい方や、テンプレートを活用して効率よく作りたい方に向いています。
名刺印刷業者にまとめて依頼する
QRコードの作成から名刺デザイン、印刷までまとめて依頼したい場合は、名刺印刷業者を利用する方法があります。仕上がりの品質や安心感を重視したい場合に向いています。
総合印刷のネット通販「WAVE」では、データ作成テンプレートが用意されており、名刺データを作成しやすい環境が整っています。
また、「デザインアシスト」サービスを利用すれば、デザインのラフをもとにレイアウトを提案してもらえます。
【名刺印刷業者に依頼するメリット】- QRコードの配置や余白の取り方を相談しやすい
- 印刷を前提にデータを整えやすい
- 品質や見た目の安定感を確保しやすい
- 向いているのは、次のようなケースです。
- 法人名刺として品質を重視したい
- 自作に不安がある
- 失敗を減らしたい
とくに、品質や信頼感が重視される名刺では、印刷業者への依頼を検討しやすいでしょう。
QRコードを作るときに押さえておきたい注意点
株式会社NEXERとWAVEが共同で実施したアンケートによると、印刷物の発注・制作で「困った経験がある」と回答した人は全体の約32.3%、つまり約3人に1人にのぼりました。また、「サイズ・仕様・デザインに関する相談やアドバイスのサポートがあると助かる」と答えた人は7割以上でした。
事前に注意点を把握しておくことで、こうしたトラブルの多くは防げます。ここではとくに確認しておきたいポイントを6つ紹介します。
- QRコードのリンク先が有効であるかを確認する
- 解像度300~350dpiで作成する※
- 読み取りやすいサイズと余白を確保する
- 色の濃さとコントラストに注意する
- 印刷前に必ず読み取りテストを行う
- 紙の種類による読み取りやすさにも配慮する
※印刷データのカラーモードがグレースケールの場合は600dpi、モノクロ2階調の場合は1200dpi程度
QRコードのリンク先が有効であるかを確認する
QRコードを読み取ったのに、リンク先がエラーページだった場合、名刺への信頼感が大きく損なわれてしまいます。特に、サイトのリニューアルやSNSアカウントの変更後にこのようなトラブルが起こりやすいです。
名刺を印刷する前に、QRコードのリンク先が正しく機能しているかを必ず確認しましょう。また、印刷後も定期的に動作チェックを行い、リンク切れがないかを確認する習慣をつけることが重要です。
もし今後URLの変更が予想される場合は、リンク先を後から変更できる「動的QRコード(可変QRコード)」の利用を検討してみましょう。動的QRコードであれば、名刺を印刷し直すことなくリンク先を更新できるため、修正コストの削減にもつながります。
解像度300~350dpi以上で作成する
印刷物に使用する画像データの解像度は、一般的に300~350dpiが推奨されています。しかし、WebサイトやSNSアプリで生成したQRコードは72dpi程度と低いことが多く、そのまま印刷すると仕上がりが粗くなり読み取りに支障が出る可能性があります。
また、デザインソフト上でQRコードを拡大した際も注意が必要です。見かけ上のサイズは大きくなりますが解像度は上がらないため、拡大後は必ず解像度を再確認してください。
Photoshopなどの画像編集ソフトで300~350dpiに調整するか、最初から印刷用の高解像度データとして書き出せるツールを使うと安心です。
読み取りやすいサイズと余白を確保する
QRコードのサイズが小さすぎると、スマートフォンのカメラがコードを認識できず、読み取りに失敗することがあります。
印刷サイズは「縦横15mm以上」を最低ラインとして確保するのが鉄則です。デザイン上の余裕があれば、4セル以上の余白を確保するとより安全に読み取れます。
あわせて確認したいのが、QRコードの周囲に設ける余白(クワイエットゾーン)です。コードのすぐ近くに文字やイラストが入っていると、スキャンが正しく機能しなくなります。
縦横の比率は必ず1:1の正方形を維持することも重要です。比率がずれると読み取りエラーの原因になります。
色の濃さとコントラストに注意する
QRコードは、暗い色のコードと明るい背景のコントラストによって読み取られます。もっとも安全なのは、白背景に黒のコードです。
ブランドカラーに合わせて色を変えること自体は可能ですが、コントラストが弱いと読み取りにくくなることがあります。とくに、コードと背景の色が近い配色や、背景のほうが濃い配色は避けたほうが安心です。
色をカスタマイズする場合は、実機でテストし、複数の端末で問題なく読み取れるか確認しておきましょう。
印刷前に必ず読み取りテストを行う
データが完成したら、入稿前に実寸で試し刷りをし、QRコードが問題なく読み取れるか確認しましょう。画面上では問題なく見えても、印刷すると色味やにじみ方が変わることがあります。
できれば、iPhoneとAndroidの両方で確認しておくと安心です。あわせて、読み取り後にリンク先が正しく表示されるかもチェックしておきましょう。
紙の種類による読み取りやすさにも配慮する
名刺に使う用紙の種類も、QRコードの読み取りやすさに影響します。光沢のあるコート紙は見た目がきれいな一方で、照明が反射しやすく、読み取りにくくなることがあります。
読み取りやすさを重視するなら、反射を抑えやすいマット紙も選択肢のひとつです。屋外や明るい場所で使うことが多い場合は、用紙の質感まで含めて検討するとよいでしょう。
WAVEでは、用紙サンプルを無料で取り寄せられます。仕上がりを事前に確認したい場合に役立ちます。
QRコードに載せると便利な情報
名刺にQRコードを入れる場合、リンク先は目的に合わせて選ぶことが大切です。たとえば、次のような情報を載せると便利です。
- 自社ホームページ・サービスページ
会社概要だけでなく、サービス紹介や実績ページへ直接案内しやすくなります。 - vCard形式の連絡先
名前・電話番号・メールアドレスなどを、スマートフォンのアドレス帳に登録してもらいやすくなります。 - SNSまとめページ
X(旧Twitter)・Instagram・YouTubeなど、複数のSNSを1つのQRコードで案内できます。 - Googleマップの店舗ページ
店舗の場所や営業時間、ルート案内を見てもらいやすくなります。 - 採用ページや会社紹介動画
採用目的の名刺では、企業理解を深めてもらう導線として活用できます。
まとめ
名刺にQRコードを入れることで、限られたスペースを有効活用しながら、ホームページやSNS、問い合わせページなどへスムーズに誘導しやすくなります。URLを手入力する手間を省けるため、名刺交換後の行動を促しやすくなる点も大きなメリットです。作成方法には、自作ツールの活用から印刷業者への依頼まで複数の選択肢があり、目的や重視したいポイントに応じて選べます。
一方で、QRコード付き名刺を実用的に活かすには、リンク先の有効性や解像度、サイズ、余白、配色、用紙選びなど、印刷前に確認しておきたいポイントもあります。こうした点を押さえておくことで、「読み取れない」「リンク先が見られない」といったトラブルを防ぎやすくなります。
WAVEでは、名刺作成用のテンプレートやデザインアシストサービスを利用でき、QRコード付き名刺の作成も進めやすくなっています。
QRコード付き名刺を、読み取りやすさとデザイン性の両方に配慮して作りたい方は、WAVEの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
この記事は2016年12月28日に公開したものをリライトしています。




















