販促/マーケティング

2020.04.13  

パンフレットとは / リーフレットとは — 特徴・用途・比較まとめ

パンフレットとは / リーフレットとは — 特徴・用途・比較まとめ

販促や告知、広報活動で活用される印刷物の中でも、パンフレットとは何か、リーフレットとは何か を明確に理解して使い分けることは、とても重要です。本記事では パンフレットとは の定義、リーフレットとは の定義を丁寧に説明し、それぞれの違いや適切な活用方法、他の印刷物(チラシ・カタログ等)との比較も併せて解説します。

パンフレットとは? 特徴と用途

パンフレットとは?

パンフレットとは、文字情報や写真、イラスト、図などが盛り込まれた小冊子を指します。2つに折った紙を重ねて針金などで綴じた簡易な冊子(中綴じ冊子)や、両面印刷した1枚の紙を折って冊子状にしたもの(折り加工)があります。

パンフレットの用途

いわゆる広告とは異なり、長く読まれることを前提に制作されます。

主な用途として挙げられるのは、企業の会社案内や製品・サービス紹介のパンフレットです。大学や専門学校などで受け取る学校案内などもパンフレットに含まれます。

パンフレットは、ある程度ボリュームの必要な情報を掲載する場合に用いられることが多く、場合によっては事業紹介・製品・サービス説明、さらにはお客さまの声といったさまざまな情報を1つのパンフレットに盛り込むケースもあります。

【補足】知っておきたい!パンフレットの国際的な定義と英語表現

日本で使われる「パンフレット」は幅広い意味を持ちますが、英語圏の表現や国際基準では、より具体的な定義が存在します。

英語の「Pamphlet」と「Brochure」の使い分け

英語では、小冊子を表す言葉として「pamphlet」と「brochure」があり、それぞれ以下のように使い分けられています。

英語表現 意味合い 用途の例
pamphlet 主に営利的な宣伝に使用されるもの。 製品・サービスの広告、セール情報
brochure 主に非営利的な宣伝に使用されるもの。 企業・団体紹介、観光案内、学校案内

日本の「パンフレット」は、この「pamphlet(営利目的)」と「brochure(非営利目的)」の両方の意味を含んだ、広い概念として使われています。

ユネスコが定める「小冊子」と「図書」の基準

さらに、国際的な視点として、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)は印刷物のページ数によって「小冊子(パンフレットが該当)」と「図書」を定義しています。(参考:図書及び定期刊行物の出版についての統計の国際化な標準化に関する勧告

種類 ページ数(表紙を除く)
小冊子 5ページから48ページの非定期刊行物
図書 少なくとも49ページ以上の印刷された非定期刊行物

つまり、国際基準で見ると「パンフレット」に該当する「小冊子」は、表紙を除いて48ページまでと明確に定義されています。この定義を知ることで、販促ツールとしての位置づけをより深く理解できます。

リーフレットとは? 特徴と用途

リーフレットとは?

リーフレットとは、広告や情報が掲載された1枚の紙で構成された小ぶりなサイズの印刷物です。2つ折りや3つ折りをプラスしたものや、折り加工なしのものがあります。英語表記は「leaflet」です。

テーマパークの案内簡易的な製品・サービスパンフレットなどで、見かけたことのある人は多いでしょう。

盛り込める情報は1枚の用紙に限定されるため、さほど多くありません。ただし2つ折りや3つ折りにすることで、各面がページ代わりとなり、内容・項目を分けることが可能です。

リーフレットの用途

リーフレットは、通常は無料で配布されるような広告として利用されることが多いのですが、デザインによってさまざまな使い方が考えられるツールです。
ただし、情報量を多くしてしまうと、十分な内容を伝えきれなくなってしまいます。1つのものについて記載するとよいでしょう。

サービス案内リーフレット

製品・サービスごとに、それぞれリーフレットを分けて制作できます。

受け取る側も、欲しい情報だけ持ち帰ることができる点がメリットです。

サービス案内リーフレット

会場案内やマップ

テーマパークや観光地などの案内では、見開きの中面に地図を記載して持ち歩いてもらうといったケースもあります。

折り畳めばコンパクトで持ち歩きやすくなりユーザビリティに沿った活用法です。

会場案内やマップ

パンフレットとリーフレットの違い

それではパンフレットとリーフレットの違いをご紹介します。
最も大きなパンフレット リーフレット 違いは、情報量とページ数にあります。

枚数(ページ数)の違い

最も大きな違いとしては、パンフレットとリーフレットそれぞれに用いられる紙の枚数が挙げられるでしょう。

一般的にリーフレットは1枚の用紙から作られており、2つ折りや3つ折りにして配布されています。これに対してパンフレットは1枚の紙とは限らず、複数枚の紙を綴じることで制作されたものも指します。

パンフレットとリーフレットの違い

リーフレットはパンフレットと比較すると、コンパクトな印象もありますね。

記載できる情報量の違い

パンフレットとリーフレットでは用いられる紙の枚数・面積が異なるため、当然ながら、そのなかに盛り込める情報量は大きく異なります

パンフレットとリーフレットは情報量も異なるパンフレットはページ数を増やすことで情報を増やせますが、リーフレットは1枚の紙なので折り方を変えたところで全体に記載できる情報量は変わりません。そのため、同じ製品紹介に用いる場合でも、例えばリーフレットは1製品のみ、パンフレットは取り扱う製品全体といったように使い分けられることが多く見られます。

文字を小さくすればリーフレットでも記載情報を増やせますが、それでは読みづらくなり、効果が半減してしまう可能性があります。

比較軸 パンフレット リーフレット
形状・ページ数 複数枚の紙を綴じた冊子(ページもの)
または
1枚の紙を折った折りもの(数ページ)
1枚の紙
または
1枚の紙を折った折りもの(数ページ)
情報量 多い(詳細・総合的な情報) 少ない(簡潔・ピンポイントな情報)
主な用途 会社案内、製品カタログ、詳細なマニュアル イベント告知、店舗・施設案内、簡易説明書
携帯性 やや低い 高い

パンフレット・リーフレットとチラシの違い

では今度はパンフレットやリーフレットに対し、チラシとは何を示すのでしょうか。

チラシは1枚の紙で制作されているという点はリーフレットと同様です。リーフレットとの違いは、チラシは多くの場合折り曲げずに使用します。

リーフレットは折り曲げることでページを作り、それぞれに情報を分けることが可能です。パンフレットもまた同じく、枚数を増やしてページを加えていけます。しかしチラシは、最大でも両面の2ページにしかなりません。片面印刷のみで用いられることもあります。

そのためチラシをデザインする際にも、一枚の紙面に情報を組み分けるといったパンフレットやリーフレットとは異なる工夫が必要になるでしょう。

チラシは一枚の紙面に情報を組み分ける

なお、パンフレットやリーフレットはそれ単体で配布・設置されることが多い一方、チラシは新聞に折り込んだり、ポスティングされたりすることが多いという点も違いのひとつです。

カタログとパンフレットの違い

最後に、カタログとパンフレットの違いを見ていきましょう。

複数ページで情報を掲載しているという点では似ていますが、一番の違いとしては、その使用目的が挙げられるでしょう。

カタログもパンフレットも、商品やサービスについて紹介・説明するという意味では同じです。しかし全体的な情報の概要を伝えるパンフレットに対し、カタログはスペックやサイズなどの仕様、価格など製品ひとつひとつの情報を細かく説明するものです。カタログに購入方法を掲載したり注文書などを同梱しておけば、そのまま注文へと進むこともできますね。

パンフレットとカタログの違い

なおカタログは、掲載する製品点数が多い場合、ページ数も多くなるため製本されることが多くなります。パンフレットは針金綴じ等、簡易な綴じ方の場合が多く、ページ数の多いカタログは背表紙を糊で固める無線綴じなどの製本方法となります。この“綴じ方”の違いも、カタログとパンフレットの違いのひとつです。

まとめ

パンフレット、リーフレット、チラシ、カタログ、いずれも販促や広報などに用いられる紙媒体です。しかしひとつひとつに異なる特徴があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

パンフレットとリーフレットは同じ紙を用いたチラシ類に属するツールですが、活用するうえでは、使い分けが重要なポイントです。
何を記載するのか、どんなシーンで、どんな人に読んでもらいたいのか、目的やターゲットによって、適切な形状を選択しましょう。

例えば会社案内や、製品・サービスの詳細の案内など情報量の多い場合は「パンフレット」。手軽に読んだり持ち帰ってほしいものにはコンパクトな「リーフレット」とすることで、販促ツールとしての効果を最大限に発揮します。

複数製品について細かな情報を伝えたいのであれば、カタログが適しています。期間限定のセール情報、あるいは新製品情報を知らせるのであれば、最も簡易的で、かつ大量印刷でもコストの低いチラシがよいでしょう。会社のパンフレットに、特に一押しの製品に関するリーフレットを添えるというあわせ技も効果的かもしれません。

目的や配布相手、配布方法などによって、最適な手段は違ってきます。ここでご紹介したそれぞれの違いを参考にしながら、より効果的な手段を選んでみてください。

目的によって最適な手段を選ぶ

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