データ作成

2010.11.18  

データ作成の留意点+(プラス)「簡易校正の色々な利用法」

皆様、いかがおすごしでしょうか。担当、上坂です。

めっきり寒くなり、今年もインフルエンザが流行るとか流行らないとか。
年末も近づいた忙しい時期、お体に気をつけて。

さて、今回のデータ作成の留意点+は…。ちょっと番外編かもしれませんね。
「簡易校正の色々な利用法」です。

弊社の校正商品には、「本機校正」と「簡易校正」の2種類がありますが、今回は、「簡易校正」の利用方法についてお話をさせて頂きたく、お読み頂けると幸いです。

簡易校正とは?

本印刷を行う前に、あらかじめ出力のイメージを確認する「簡易校正」。
ご利用頂いている方もいらっしゃるかと思います。

弊社の商品としての簡易校正は、「A3ノビ(318mm×468mm)」というサイズの中に、ご希望の校正用データを配置して頂き、弊社レーザープリンタで出力、確認頂く商品となっております。

簡易校正という商品の特性として、「カラーレーザプリンタ」での出力という特徴があります。
そこを踏まえた上で、おそらく皆さんが一番簡易校正を利用する理由となる「色校正」について、簡易校正の特徴を申し上げましょう。

簡易校正での「色味」の校正

簡易校正の色味の校正という点に関して申し上げますと、

「簡易校正では、基本的にはオフセットの印刷機と同等の出力結果を得ることはできません。」

これはインキの特性ということもありまして、ごく簡単に申しますと、“インクの定着の違い”が挙げられます。

カラーレーザプリンタのインキは「トナー(いわゆる色のついた粉末を溶かし、用紙に吹き付け定着させる特性があります)」→色が用紙の上に乗っている、ようなイメージでしょうか。一方、オフセットインキは用紙にCMYKの色をしみ込ませる→色が用紙と一体化しているような感覚ですね。

上記のインキの違いによる要素、紙の上にインクが乗っている状態と、しみ込んでいる状態では、やはり色が多少違ってきます。本印刷でいえば用紙にインキがしみ込むという現象で用紙自体の持つ色も微妙に加算されるからです。
(印刷した用紙が乾いたときにも、色味は多少変わってきます。これはドライダウンと言うそうです。)
つまり、簡易校正の色味は「ある程度」の色味を確認する材料となる、ということとなります。

現在の所、弊社では完全なお色の校正となりますと「本機校正」をお勧めしておりますのは、このような理由もある為です。ご不便をおかけ致しますが、何とぞ宜しくお願い申し上げます。

「ん? じゃあ簡易校正って意味ないの?」と思われるかもしれません。
しかし、そんなことはございません。

「校正」という言葉は、様々な意味を持ちます。「色校正」「文字校正」などなど…。

色味以外にも、簡易校正による「校正」方法は色々ございますよ!!
簡易校正は「弊社が実際に本印刷に使用する用紙に出力する」という特徴がありますが、以下のような「校正」が可能です!

簡易校正でできる「校正」いろいろ

1.用紙を実際に手に取ることができる。

用紙はそれこそ沢山の種類があります。実際に本印刷で納品された用紙の手触り(手触りというのも、印刷物の重要な要素だと思います)を確認したらイメージが違った… という事をあらかじめ本印刷前に確認できます。

2.紙厚を確認する。

紙厚は90kg、220kgなど、はっきりいって用紙の厚さを数値より想像する事は難しいと思います。実際に手に取ることで、紙厚の確認も可能です。(ぺらぺらしてみたり。これだけでも用紙を確認しないよりも、イメージが掴めると思うのです!)

3.折ってみる。

実際の用紙という特性を利用して、折パンフレットなどを予定している方は、実際に折ってみるというのもありでしょう。紙厚によっては、どうしても折り目が割れてしまい、イメージと違う折り目になることも考えられます。紙厚によって、弊社ではご容赦頂いている所もございますので、「どうも折り目が気になる…」等ありましたら、紙厚を1段階下げるなどの判断材料になります。

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4.透かしてみる。

簡易校正は片面印刷の商品ですが、それでも用紙を光に透かしてみることによって、裏写り(インキではなく、裏面の印刷面が透けて見えることです)を確認できます。
「ちょっと薄すぎるので、裏面が透けて見えるかも…」紙厚を1段階上げるなどの判断材料に。

▲ 上記4つは、弊社から無料でお送りしているサンプル請求でも可能ではありますが、お客様のデータを出力した実際の用紙であれば、よりイメージを掴みやすいと思います。

5.オーバープリントの確認ができる。

オーバープリントは、Illustrator、Indesignにおける「K100」のみの設定(画像データのK100は、オーバープリントの対象外)において、版ずれを防ぐ為に、弊社で自動的に設定される「ノセ」設定です。
オーバープリントに関しては、家庭用プリンタで出力できない事がほとんどでIllustratorの「オーバープリントプレビュー」でも判断が難しいため、簡易校正はいい判断材料となりますよ。
(弊社簡易校正のオーバープリントは、本印刷と同等の結果を出力しています。)

6.画像等の解像度の確認ができる。

画像に関しては、あらかじめクライアントより支給された画像で解像度が足りないなど、色々な不安材料があるかと思います。弊社簡易校正であらかじめ低解像度な画像などを発見できますね。例えばクライアントに「頂いた画像では、こんな結果になってしまいます」などというふうに、本印刷前に不安材料を無くす指標となります。

7.RGB→CMYKの色味の変化を確認できる。

弊社ではRGBカラーは工程上CMYKに必ず変換されますので、色味の変化を掴む事ができます。環境によっては、CMYKの使用、変換が困難なこともあるでしょう。とくにOfficeデータのご入稿の際にご利用頂くとお役に立てると思います。

以上が簡易校正の利用方法です。
いかがでしょう?簡易校正でこれだけの「校正」ができます。

では、最後に簡易校正の『データ作成時の留意点』をご紹介しておきましょう!

簡易校正は原寸大での配置がお勧め

簡易校正用のデータは、基本的には「A3ノビの範囲内であれば、配置は自由」となっております。ですが、極力原寸での配置をお勧め致します(A3ノビに収まる本印刷の仕上がりをご希望の場合)。

A3ノビを超えるサイズについても、例えば2面に渡って配置されるなど、原寸でデータを配置して頂くといいと思います。

例えば、A5サイズをA3ノビいっぱいに拡大されるとその分解像度が相対的に下がっていくので、簡易校正結果が本印刷の結果と一致しない可能性が出てきます。逆にデータを縮小された場合でも同じ事が言えます。

ただ、全体のイメージを大まかに確認したい時は、必要に応じて縮小もありだと思います。(ただし、本印刷時は印刷原寸でのご入稿となりますのでご注意くださいね。)

以上です。
…。今回は長過ぎましたか? すいません….. orz。
色々申し上げてしまいました…。

お客様のご予算等もおありかと思います。
また、弊社でお力になれない所も多々あるかと思います。
ですが、案件によって、簡易校正の優れている点もあるはずだと私は思います。
それらを加味した上で、弊社の商品をお客様のニーズに応じて選択して頂き、それがお役に立てれば!これほど幸せな事はありません。

皆様のお役に立てれば幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。

今回はお堅い話になってしまったかもしれません。私もまだまだ勉強中です!
このBlogコーナーはある程度フランクに、お客様のお役に立てる情報を提供できればと考えています。

ではまたです。

簡易校正の詳細はこちら 

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