商品画像やバナー、SNS投稿用の写真では、背景だけを削除して被写体を際立たせたい場面がよくあります。しかし「きれいに背景が消えない」「髪の毛が不自然に切れてしまう」といった悩みを抱える方も少なくありません。
フォトショップには、画像の種類に合わせて選べる切り抜き方法が複数備わっています。この記事では、初心者がすぐ試せる基本操作から、精度を高めたいときに役立つテクニックまで、7つの方法をわかりやすく紹介します。
簡単!フォトショップの画像切り抜き方法7選
フォトショップには、画像の特徴や仕上げたい目的に合わせて使い分けられる切り抜き方法がいくつもあります。
背景と被写体のコントラストが強い画像なら自動選択ツールで素早く切り抜けますし、髪の毛のように細かな境界線がある場合は、専用の調整機能を使うことで自然な仕上がりに近づけられます。
1:自動選択ツール
自動選択ツールは、クリックした位置と近い色の領域を一度に選んでくれる便利な機能です。背景がシンプルで、被写体との色の差がはっきりしている画像にとくに向いています。
【操作手順】
- ツールバーから自動選択ツールを選択(ショートカットキー:W)
- オプションバーで許容値・アンチエイリアス・隣接などを設定
- 消去したい部分をクリック
- 選択範囲の調整・修正
- [選択範囲 → 反転]を実行
- 「レイヤーマスクを追加」をクリックして切り抜きを適用(非破壊編集)

許容値は、選択したピクセルカラーにどれくらい近い色まで含めるかを0〜255の範囲で決定します。値が低いと近い色だけが選択され、値が高いとより広い範囲の色が選択されます。選択したい範囲に応じて調整しましょう。
2:オブジェクト選択ツール
オブジェクト選択ツールは、Photoshop 2020以降で利用できるAdobe Sensei(人工知能)搭載の便利な機能です。被写体の周りをざっくり囲むだけで境界を自動認識してくれるため、複雑な画像でも短時間で選択できます。
【操作手順】
- ツールバーからオブジェクト選択ツールを選択
- オプションバーで選択する形状を選択
- 切り抜きたい被写体にカーソルを合わせる
- 選択範囲を調整
- 「レイヤーマスクを追加」をクリックして切り抜きを適用
複数の領域を追加したいときはShiftキー、選択範囲を減らしたいときはAlt(MacはOption)キーを押しながらクリックすると調整しやすくなります。
3:クイック選択ツール
クイック選択ツールは、ブラシでなぞった部分の境界線を自動的に検出し、素早く選択範囲を作成できるツールです。色が複雑でも、輪郭やエッジがはっきりしている画像で使うと効果を発揮します。
【操作手順】
- ツールバーからクイック選択ツールを選択
- オプションバーでブラシサイズを調整
- 被写体の上をドラッグして選択範囲を広げる
- 選びすぎた部分はAlt(MacはOption)キーを押しながらドラッグして調整
- 「レイヤーマスクを追加」をクリックして切り抜きを適用
直感的に操作できるため、細かい調整をしながら進めたい場面で重宝します。
4:マグネット選択ツール
マグネット選択ツールは、輪郭がはっきりしている画像において、とくに扱いやすい方法です。境界線に沿ってマウスを動かすだけで、自動的にエッジに吸着しながら選択範囲を作成できます。
【操作手順】
- ツールバーからマグネット選択ツールを選択
- オプションバーで「幅」「コントラスト」「頻度」を設定
- 被写体の境界線をクリックして開始
- 境界に沿ってマウスを動かすと、アンカーポイントが自動的に追加される
- スタート地点に戻ってクリックし、選択範囲を確定
- 「レイヤーマスクを追加」をクリックして切り抜きを適用

古いバージョンのPhotoshopでも使えるため、境界が単純な画像の切り抜きに向いています。
5:長方形選択ツール・楕円形選択ツール
長方形選択ツール・楕円形選択ツールは、四角形や円形などの幾何学的な形で画像を切り抜きたいときに便利です。プロフィール画像を円形にしたい場合や、バナー用にシンプルな四角形でトリミングしたい場合に適しています。
【操作手順】
- ツールバーから長方形選択ツール(または楕円形選択ツール)を選択(ショートカットキー:M)
- 切り抜きたい範囲をドラッグして選択(Shiftキーで正円・正方形)
- 切り抜く画像レイヤーが選択されていることを確認
- 「レイヤーマスクを追加」をクリックして切り抜きを適用
直感的に扱えるため、基本的な図形トリミングを素早く仕上げたい場面で重宝します。
【応用】クリッピングマスクとの組み合わせ
長方形ツールや楕円形ツールで作成した図形に、クリッピングマスクやレイヤーマスクを組み合わせると、形をあとから調整しやすい柔軟な切り抜きが行えます。これらの方法はいずれも非破壊編集(元の画像データの上書きをせずに画像を変更できる)のため、元画像を傷つけず、デザインを試行錯誤したい場面でも安心して形を変更できます。
【操作手順】
- 長方形ツール(ショートカットキー:U)を選択し「シェイプ」を選択
- 切り抜きたい形をドラッグして作成
- 作成したシェイプレイヤーを、切り抜きたい画像レイヤーの下に移動
- 画像レイヤーを右クリックし、「クリッピングマスクを作成」を選択
図形を動かしたり調整したりできるため、より自由度の高いレイアウトに仕上げたいときに便利です。
6:ペンツール
ペンツールは、アンカーポイントと曲線を組み合わせて自由に形を作成できるツールです。境界がくっきりした製品写真など、精度の高い切り抜きが求められる場面に向いています。
【操作手順】
- ツールバーからペンツールを選択(ショートカットキー:P)
- オプションバーで「パス」が選択されているか確認
- 被写体の境界に沿ってクリックし、アンカーポイントを配置
- 曲線部分はクリック後にドラッグしてハンドルを調整
- スタート地点に戻ってクリックし、パスを閉じる
- パスパネルで作業用パスをダブルクリックして名前を付ける
- パス上で右クリックし、「選択範囲を作成」を選択
- 「レイヤーマスクを追加」をクリックして切り抜きを適用

細部まで形をコントロールできるため、仕上がりにこだわりたいときに重宝します。
7:選択とマスク
「選択とマスク」は、髪の毛や動物の毛のように境界が複雑な被写体を、自然に切り抜くための専用機能です。まず他の選択ツールで大まかな範囲を取ってから、この機能で細部を整えていきます。
【操作手順】
- クイック選択ツールなどで被写体を大まかに選択
- オプションバーの「選択とマスク」をクリック
- 左側のツールバーから「境界線調整ブラシツール」を選択
- 髪の毛や毛皮などの細かい境界をブラシでなぞる
- 属性パネルの「エッジの検出」で「スマート半径」にチェックし、半径を調整
- 「出力設定」で「出力先」を「レイヤーマスク」に変更
- OKをクリックして切り抜きを適用
境界線調整ブラシツールは、背景と被写体の境界をまたぐように動かすと、より自然な仕上がりになります。
【独自アンケート】印刷物の仕上がりに切り抜き精度が影響することも
画像の切り抜きは、仕上がった印刷物の品質にも影響する大切な工程です。
WAVEが実施したアンケートでは、印刷物の発注や制作で「困った経験がある」と答えた人が全体の約3人に1人にのぼりました。とくに多かったのは「色の仕上がりが想定と違った」という声で、デザイン段階のイメージとの差に悩むケースが目立ちました。
切り抜きの精度が低いと、印刷した際に境界がギザついたり、意図しない色がにじんだりすることがあります。データ作成の段階で丁寧に処理しておくことで、完成度の高い印刷物につながります。
調査データ引用元:https://www.wave-inc.co.jp/weblog/?p=31651
フォトショップ入稿時のデータ作成方法や注意点については、弊社ブログのこちらの記事もあわせてご覧ください。
見落としがち!フォトショップで切り抜きができない原因と解決方法
正しい操作をしているつもりでも、思うように切り抜けない場合は、レイヤーの状態や設定が影響していることがよくあります。ここでは、とくに起こりやすい4つの原因と、その解決方法をまとめて紹介します。
切り抜き対象が背景のままになっている
選択範囲を作成してDeleteキーを押した際、画像が切り抜かれず塗りつぶしが表示される場合は、レイヤーが「背景」のままになっていることが主な原因です。
【解決方法】
- レイヤーパネルで「背景」と表示されているレイヤーをダブルクリック
- 「新規レイヤー」ダイアログが表示されたらそのままOKをクリック
- 背景レイヤーが通常レイヤーに変換され、切り抜きが可能になる
背景レイヤーは特殊な扱いのため、この変換を行うだけで多くのトラブルが解消されます。
レイヤーがスマートオブジェクトになっている
レイヤーがスマートオブジェクトの状態になっている場合、ピクセルを直接削除するタイプの切り抜き操作(Deleteキーでの削除)は行えません。スマートオブジェクトは非破壊編集に便利ですが、直接編集が制限されているためです。
ただし、スマートオブジェクトのままでも「レイヤーマスクを使った切り抜き」は可能 です。元データを損なわずに不要部分を隠せるため、編集のやり直しもしやすい点がメリットです。
【直接削除したい場合の解決方法】
- レイヤーパネルでスマートオブジェクトのレイヤーを右クリック
- 表示されたメニューから「レイヤーをラスタライズ」を選択
- 通常のビットマップ画像に変換され、Deleteキーなどによるピクセル削除が可能に
スマートオブジェクトは非破壊編集に便利ですが、切り抜き作業を行う際はラスタライズが必要になります。
切り抜きするレイヤーにロックがかかっている
レイヤーに編集ロックがかかっている場合も、切り抜きが実行できません。まずはロックを外す必要があります。
【解決方法】
- レイヤーパネルでロックされているレイヤーを選択
- レイヤー名の右側にある鍵マークをクリック
- 鍵マークが消えればロック解除が完了し、編集できる状態に戻る
ロックが外れるだけで操作が通るようになるため、最初にチェックしたいポイントです。
別のレイヤーを選択している
複数のレイヤーがあるファイルでは、意図とは違うレイヤーを選択して作業してしまうことがあります。この場合、選択範囲を作っても切り抜きが反映されません。
【解決方法】
- レイヤーパネルで、切り抜きたい画像が入っているレイヤーをクリック
- 選択したレイヤー名が青くハイライト表示される
- 選択範囲を保持したまま、あらためて切り抜き操作を実行
作業前にレイヤーの選択状態を確認するだけで、多くのトラブルが防げます。
まとめ
フォトショップで画像を切り抜く際は、状況に合わせて方法を選ぶことが大切です。背景がシンプルな画像なら自動選択ツールやオブジェクト選択ツールで素早く処理でき、髪の毛のような細かな境界線には「選択とマスク」が効果的です。
切り抜きがうまくいかない場合は、レイヤーが背景のままになっていないか、スマートオブジェクトやロック状態になっていないかを確認すると解決につながります。
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