Illustratorでオブジェクトやアートボードを回転させたいとき「どのツールを使えばいいのか?」や「元に戻すにはどうすればよいのか?」と悩んでいませんか。
回転方法は主に3つあります。バウンディングボックスなら感覚的に、回転ツールなら正確な角度指定で、回転ビューツールなら画面全体を回転できます。
本記事では、それぞれの使い方に加え、Shiftキーとの組み合わせや回転コピーの活用法、さらにEscキーを2回押すことで元に戻す裏技まで、作業効率を高めるテクニックをステップごとにわかりやすく解説します。
イラレでオブジェクトを回転させる方法
Illustratorでは、画像や図形などのオブジェクトを回転させる方法がいくつか用意されています。
WAVEと株式会社NEXERが2025年に実施した法人印刷物の発注・利用実態調査によると、印刷物を発注・制作する際に困った経験として「データの作成方法が分からなかった(Illustrator、Photoshopなど)」という回答が挙げられています。
昨今のツールは多機能・高機能である一方、操作が難しいと感じる方も少なくありません。
まずは回転のような基本操作から慣れていきましょう。以下に、初心者でもすぐ実践できるよう、ステップごとにわかりやすく解説します。
バウンディングボックスを使う方法
最も基本的で直感的な回転方法が、バウンディングボックスを使った操作です。
選択ツール(ショートカット:Vキー)でオブジェクトをクリックすると、オブジェクトを囲む青い線と8つの白い四角(ハンドル)が表示されます。これがバウンディングボックスです。
もしバウンディングボックスが表示されない場合は、表示メニューから「バウンディングボックスを表示」を選択するか、Shift+Ctrl+B(MacではShift+Command+B)を押してください。
バウンディングボックスの四隅より少し外側にカーソルを合わせると、カーソルが回転マークに変化します。この状態でドラッグすると、オブジェクトを自由に回転できます。回転中は、画面上に現在の角度が表示されるため、おおよその角度を確認しながら調整できます。
Shiftキーを押しながらドラッグすると、45度刻みで回転するため、正確な角度調整が必要な場合に便利です。水平・垂直のレイアウトを保ちながら向きを変えたいときに活用しましょう。

回転ツールを使う方法
角度を数値で指定したい場合や、回転しながらコピーを作成したい場合は、回転ツールが適しています。
ツールパネルから回転ツール(ショートカット:Rキー)を選択すると、オブジェクトの中心に水色の基準点(回転軸)が表示されます。
この状態でアートボード上をクリックしながらドラッグすると、基準点を中心にオブジェクトが回転します。回転ツールをダブルクリック、またはOptionキー(WindowsではAltキー)を押しながら画面上をクリックすると、回転ダイアログが表示され、角度を数値で指定できます。
角度の入力方法には、直接数値を入力するほか、ダイアログ右側のつまみマークをドラッグして視覚的に調整する方法もあります。たとえば「45」と入力すれば時計回りに45度回転し「-45」と入力すれば反時計回りに45度回転します。
このダイアログで角度を入力したあと「コピー」ボタンをクリックすると、回転した位置にオブジェクトのコピーを作成できます。
この機能を活用すれば、時計の文字盤や花びらなど、等間隔で配置されたデザインを効率的に作成できます。たとえば、5枚の花びらを均等に配置したい場合は、360度÷5=72度と計算し、72度ずつ回転コピーすれば美しい花の形が完成します。
基準点や回転軸をずらして回転させる方法
回転ツールの強みは、回転の中心となる基準点を自由に変更できる点です。
通常、基準点はオブジェクトの中心に配置されますが、Optionキー(WindowsではAltキー)を押しながら任意の場所をクリックすると、その位置を新しい基準点として設定できます。
たとえば、時計の針を作成する場合、針の端を基準点に設定すれば、針が文字盤の中心を軸に回転するような動きを再現できます。基準点を設定した後に角度を指定してコピーすれば、正確な間隔で複数の針を配置することも可能です。
回転コピーを繰り返し適用したい場合は、Ctrl+D(MacではCommand+D)を押すことで、直前の変形を繰り返し実行できます。この操作を活用すれば、花のデザインや放射状のパターンなど、複雑な形状も短時間で作成できます。


こちらの記事では、Illustratorの回転ツールで桜を描く方法について解説しています。花びらのパーツや枚数を変えるだけでさまざまな花が描けるようになるため、ぜひあわせてご覧ください。
オブジェクトにパターンを使用している場合
オブジェクトにパターンを適用している場合、回転時の挙動に注意が必要です。
回転ダイアログには「パターンの変形」というチェックボックスがあり、このオプションの有無によって見た目が大きく変わります。
「パターンの変形」にチェックを入れると、オブジェクトとパターンの両方が回転します。チェックを外すと、オブジェクトの形状のみが回転し、パターン自体は回転しません。
意図しない模様のズレを防ぐため、パターンを使用している場合は必ずこの設定を確認しましょう。
自由変形ツールを使う方法
自由変形ツールを使うと、回転だけでなく拡大縮小や傾斜など、複数の変形を同時に行えます。
ウィンドウメニューから「ツールバー」→「詳細」を選択して詳細ツールバーに切り替えると、自由変形ツールが表示されます。
回転の方法はバウンディングボックスと同じで、オブジェクトの外側にカーソルを合わせてドラッグするだけです。バウンディングボックスとの違いは、回転以外の変形も同時に適用できる点にあります。
より高度な変形が必要な場面で活用しましょう。

回転させたオブジェクトを元に戻すには?
回転させたオブジェクトを元の角度に戻したい場合、いくつかの方法があります。最も簡単なのは、バウンディングボックスを右クリックして「回転の取り消し」を選択する方法です。
また、変形パネル(ウィンドウメニュー→「変形」)で回転角度を「0度」に入力することでも、元の角度に戻せます。
CC 2015.3以降のバージョンでは、オブジェクトの回転角度が変形パネルに保持されるため、数値を確認しながら調整できます。
イラレでアートボードを回転させる方法
アートボードそのものではなく、画面表示(ビュー)全体を回転させることで、傾いたパーツの描画や作業効率の向上が図れます。
アートボードの回転には、大きく分けて2つの方法があります。
アートボードオプションから回転させる方法
アートボードの縦横設定を変更したい場合は、アートボードオプションを使用します。
アートボードツールを選択した状態で、画面上部のコントロールパネルに表示される「縦」「横」のアイコンをクリックすると、アートボードの向きを90度回転できます。
この操作は、A4縦をA4横に変えるような、用紙設定としての回転です。重要な注意点として、アートボードの縦横を入れ替えても、中に配置されているオブジェクトは回転しません。あくまでアートボードのサイズと向きが変わるだけです。

回転ビューツールを使う方法
コンテンツを含む画面全体を回転させたい場合は、回転ビューツールを使用します。
ウィンドウメニューから「ツールバー」→「詳細」を選択して詳細ツールバーに切り替え、手のひらツールを長押しすると回転ビューツールが表示されます。ショートカットはShift+Hキーです。

回転ビューツールを選択して画面上をドラッグすると、アートボードとその上のすべてのオブジェクトが一緒に回転します。Shiftキーを押しながらドラッグすると、15度刻みで回転するため、細かい角度調整が可能です。
回転する方法は2種類あります。ひとつ目は、カンバス上で直接ドラッグする方法です。Shiftキーを押しながらドラッグすると、15度刻みで回転します。ふたつ目は、ステータスバーから角度を選択する方法です。

表示メニューから「ビューを回転」を選択すれば、180度から-180度の範囲で角度を数値指定してアートボードを回転できます。
さらに便利なのが「選択範囲に合わせてビューを回転」機能です。傾いたオブジェクトを選択した状態でこの機能を実行すると、オブジェクトの角度に合わせて画面全体が回転するため、傾いたパーツを描き込む際に非常に便利です。
パッケージデザインでは、文字やロゴなど向きを変えて配置する必要があります。回転ビューツールを使えば、ふた面・正面のデザインをする際はビューを180度回転、左右側面のデザインをする際はビューを90度または-90度回転することで、デザイン作業がしやすくなります。

回転ビューツールを使用すると、オブジェクトがリアルタイムで表示されない場合があります。これはGPUパフォーマンスの設定が影響している可能性があるため、編集メニューから「環境設定」→「パフォーマンス」を開き、GPUパフォーマンスの設定を確認してください。
回転したアートボードを元に戻すには?
回転ビューツールで回転させたアートボードを元に戻す方法は、以下のとおり複数あります。
- 回転ビューツールをダブルクリックする
- 表示メニューから「ビューの回転を初期化」を選択する
- Shift+Ctrl+1キー(MacではShift+Command+1キー)を押す
また、別のツールや機能を使用中の場合は、Escキーを2回押すことでカンバスの回転をリセットできます。
作業スタイルに合わせて、使いやすい方法を選びましょう。
まとめ
Illustratorでの回転操作は、バウンディングボックス、回転ツール、自由変形ツールなど複数の方法があります。感覚的な操作から数値指定まで、用途に応じて使い分けましょう。回転ビューツールを活用すれば、傾いたパーツの描画も効率的です。
印刷入稿時は、アートボードを必ず0度の位置で保存してください。または、画像を使用する際は、必ず「埋め込み配置」にしてください。
「リンク配置」にしてしまうと、画像ファイルに含まれるEXIF情報が原因で、入稿後に勝手に画像が回転してしまうトラブルが多発しています。
WAVEでは、こうしたトラブルを防ぐため、無料の検版システムオプションをご用意しています。意図しないレイアウト崩れを印刷工程に進む前に防ぐことができるため、安心してご利用いただけます。
また、PDF形式での入稿なら、フォントのアウトライン化が不要で画像も自動的に埋め込まれるため、初心者の方にもおすすめです。
豊富なテンプレートやデータ作成ガイドも揃っており、Illustrator操作に不安がある方でも安心してご発注いただけます。データ作成から印刷まで、WAVEの手厚いサポート体制をぜひご活用ください。
この記事は2022年10月17日に公開したものをリライトしています。













