Photoshop

2012.08.31  

Photoshopの描画モード -「オーバーレイ(おーばーれい)」とは-

Photoshopの描画モード -「オーバーレイ(おーばーれい)」とは-

今回は、Photoshopの描画モード「オーバーレイ」についてご紹介します。
「オーバーレイ」とは、「重ね合わせる・覆う」などの意味がある言葉です。レイヤーをオーバーレイモードで重ねていくと、とてもおもしろい表現が可能です。

オーバーレイとは

前回とその前の記事で、Photoshopの描画モード「乗算」「スクリーン」について解説いたしましたが、今回の「オーバーレイ」モードは、その「乗算」や「スクリーン」の機能を組み合わせて効果を作り出しています。

「乗算」は上下のレイヤーの色と色をかけ合わせて表現されているため、合成された画像は元の画像よりも暗くなります。
また、「スクリーン」は乗算の逆で、下のレイヤーの反転色に上のレイヤーの反転色がかけ合わせられるので、合成された画像は元の画像よりも明るくなっていきます。

乗算の場合はより暗く、スクリーンの場合はより明るく表現されます

オーバーレイで重ねた場合、暗いところは暗く、明るいところは明るく表現されます

「オーバーレイ」の場合は、下のレイヤー色が暗い色だと「乗算」、明るい色だと「スクリーン」のモードが適用されます。結果色の見た目は、全体的に鮮やかさが上がったように見えます。

オーバーレイの活用例

オーバーレイを使用してレイヤーを重ね合わせる際、互いのレイヤーの彩度がある場合には、全体が鮮やかになりすぎてしまうことも多いです。
そのため、レイヤーの不透明度をうまく調節しながら作ることがポイントです。

色ベタ面に濃淡のグラデーションをつける方法

濃淡のグラデーションを作成したいときには便利な機能です。例えば、オーバーレイを使って、立体的なグラデーションの入ったボタンのイラストが簡単に作成できます。

はじめに、ベタ色でボタンの形を作成します。最初から塗りをグラデーションで作成する事もできますが、今回はオーバーレイでグラデーションを作成してみましょう。

色ベタを作成した上にグラデーションをオーバーレイで重ねます

白から黒へのグラデーションを作成したレイヤーを、色ベタのレイヤーににオーバーレイで重ね合わせると、下レイヤーの色ベタに応じて、結果色がグラデーションになりました。

これは、乗算やスクリーンでもよく似た効果が得られるのですが、よく見てみると違いが分かります。

↓乗算の場合

グラデーションを乗算で重ねて作成したボタン乗算の場合は暗い部分がより「黒」に近くなります。

これは、グラデーションの黒の部分が、下レイヤーの青とかけ合わされ、より黒くなっていくためです。
ダークなデザインにしたいときには向いていますね。

↓スクリーンの場合

グラデーションをスクリーンで重ねて作成したボタンスクリーンの場合は明るい部分がより「白」に近くなっています。

これは、スクリーン効果によって、グラデーションの黒の部分は透かされ下レイヤーの青が結果色に出ているのに対し、白い部分はそのまま保持されて白く残っているためです。

↓オーバーレイの場合

グラデーションをオーバーレイで重ねて作成したボタンオーバーレイの場合は、明るい部分はより鮮やかで明るい青に、暗い部分はより深く濃い鮮やかな青に変化しています。
そのため、グラデーションを簡単に美しく作成したい場合には、オーバーレイが便利なのです。

オーバーレイの不透明度を50%に変更しました彩度が高すぎると感じるときには、オーバーレイで重ねたグラデーションのレイヤーの不透明度を調節してみてください。

オーバーレイで重ねたレイヤーの不透明度を50%に設定すると、自然な彩度のボタンが作成できました。

色を指定してグラデーションを作成している場合、その色自体を修正してグラデーションの具合を調節しなければなりませんよね。
それに対して、黒→白の単純なグラデーションをオーバーレイで重ね合わせて作成した場合、グラデーションのレイヤーの不透明度や、色ベタの色を変えるだけで色味を調節できてしまうので、かなり便利です。^^

色ベタにニュアンスを持たせる

色ベタ面に、微妙なニュアンスのある模様を入れたいときに活用できます。

薄靄のようなニュアンスも、オーバーレイで作成できます

まず、色ベタを作成したあと、新規レイヤーで[フィルター]→[描画]→「雲模様1」を作成し、その雲模様のレイヤーモードをオーバーレイ100%に設定しました。

すると、雲模様がうっすらとベタ色の上に合成されました。色全体が濃く(彩度が高く)なった印象です。不透明度を変える事で、微妙な調節が可能です。

宇宙空間のような表現

上記のような「雲模様」を使って、宇宙空間の一部のような表現も可能です。

宇宙空間のような表現も、オーバーレイで作成できます

今度は、雲模様を作成したあとに、色ベタをオーバーレイ100%で重ねました。すると、雲模様の白っぽくなっている部分に、色ベタの青が入りました。

ここに星を合成すれば完成です。宇宙空間を感じる描画が簡単にできました。
オーバーレイモードは彩度が保たれるため、どちらかといえば、鮮やかなビジュアルの描画が得意なのかもしれません。

同じ写真をオーバーレイで重ねると、コントラストと彩度が高くなります

チューリップの写真がくっきりと鮮やかになりました

チューリップの写真に、全く同じ写真をオーバーレイ(不透明度:80%)で重ね合わせました。結果は、色の濃いところはより濃く、明るいところはより明るい、くっきりと鮮やかな写真になりました。

コントラストを保ったままで、スクリーン効果のような表現が可能です

白黒のイラストにオーバーレイでグラデーションを重ねる

白黒のイラストに、オーバーレイでグラデーションを重ねた場合、濃く黒い線は保たれたまま、濃度の薄いグレーの部分から白い部分にかけてのみ、グラデーションの色が適応されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
グラデーションやテクスチャと組み合わせると、さまざまなシーンで活躍できそうな描画モードです。ぜひ試してみてください(´ω`)

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