会社案内やイベントパンフレットを作るとき「情報量は多いが冊子にするほどでもない」と悩んだ経験はないでしょうか。そんな場面で力を発揮するのが、蛇腹(じゃばら)折りです。
蛇腹折りはコンパクトでありながら、広げると大きな紙面になる折り加工です。用途や特徴を正しく知れば、制作物の幅がぐっと広がります。この記事では蛇腹折りの基礎知識から、メリット・活用シーン・制作時の注意点まで、わかりやすく解説します。
蛇腹折りとは?

蛇腹折りとは、紙を山折りと谷折りで交互に折り重ねる加工のことです。仕上がりが蛇の胴体のように連なることから、その名で呼ばれています。アコーディオン折り、経本(きょうほん)折り、法帖(ほうじょう)折りと呼ばれることもあります。
蛇腹折りの主な特徴は、次のとおりです。
- 折り畳むとコンパクトになり、持ち運びしやすい
- 広げると全体を一気に見渡しやすい
- 面数を確保しやすく、情報量の多い制作物にも向いている
- 地図やパンフレット、施設案内など幅広い用途で活用できる
印刷業界では、蛇腹折りの折り目の数を「山」で数えます。山の数が増えるほど面数も増え、掲載できる情報量も多くなります。WAVEの折パンフレット印刷では、次の3種類を取り扱っています。
- 外5つ折り(10P/4山)
- 外6つ折り(12P/5山)
- 外7つ折り(14P/6山)
蛇腹折りの折り方(外5つ折りの場合)

ここでは、WAVEの折パンフレット印刷でも取り扱っている「外5つ折り(10P)」を例に、折り方の基本を説明します。
外5つ折りとは、1枚の用紙を4回折る方法です。仕上がりは10面(10ページ)になります。 折り方の流れは、次のとおりです。
- 長辺のサイズを測り、5等分になる位置に印をつける
- 最初の印の位置で山折りする
- 次の印の位置で谷折りする
- 印の位置で山折りと谷折りを交互に繰り返す
この流れで折ることで、アコーディオン状の形になります。仕上がりは細長くコンパクトにまとまり、持ち運びやすいのが特徴です。
発注時は、折り方と回数だけでなく「仕上がりサイズ」と「展開サイズ」もあわせて印刷会社へ伝えることが重要です。この点については、後述する注意点のセクションで詳しく解説します。
蛇腹折りのメリット
蛇腹折りならではのメリットがいくつかあります。順に見ていきましょう。
用紙をコンパクトにまとめられる

蛇腹折りの最大の強みは、大きな用紙をコンパクトに折り畳める点です。たとえばA5サイズ(仕上がり)の14P蛇腹折りの場合、全面を展開すると横幅が1,036mmにもなります。一方で、折り畳んだ状態はA5サイズの小冊子と変わらないサイズ感です。
特徴を整理すると、次のようになります。
- 持ち運びやすいサイズに収まる
- 広げると大きな紙面として使える
- 携帯性と情報量を両立しやすい
ポケットやバッグに入れて持ち運べるコンパクトさでありながら、広げれば大きな紙面として使えます。この二面性が、蛇腹折りならではの魅力です。
イベント会場のマップや観光地の案内パンフレットなど、持ち歩きながら参照するシーンにとくに向いています。
情報整理がしやすい
蛇腹折りは、面ごとに情報を区切って配置できるため、内容を整理しながら見せやすい形式です。各面をひとつのセクションとして使えば、読者が順番に読み進めやすくなります。
情報整理のしやすさは、主に次の点にあります。
- 面ごとにテーマを分けて見せられる
- 順番に読み進めやすい
- 全面を広げれば全体像も見せられる
また、折り目を1枚ずつめくるように読めるため、冊子に近い感覚で情報を追うこともできます。施設案内や商品カタログのように情報量が多い制作物でも、内容を把握しやすくなるのがメリットです。
冊子を作るよりもコストを抑えやすい
蛇腹折りは、1枚の用紙に折り加工を施して仕上げるため、冊子印刷のような綴じ工程がありません。中綴じ冊子や無線綴じ冊子は、印刷後に製本作業が加わるため、その分の工数とコストがかかります。
同じ程度のページ数を想定する場合、蛇腹折りには次のメリットがあります。
- 綴じ工程がない
- 冊子よりコストを抑えやすい
- 情報量と携帯性を両立しやすい
- 紙面の見せ方を工夫しやすい
「ペラものでは情報が足りないが、冊子にするほどではない」という場合にも向いています。
蛇腹折りの活用シーン
蛇腹折りは、持ち運びやすさと一覧性を両立しやすいため、さまざまな制作物で活用されています。代表的な用途は次のとおりです。
- 観光マップ
- イベント会場の案内図
- 学校案内
- 施設紹介パンフレット
- 商品カタログ
全面を広げれば大きな地図や一覧として使え、持ち歩くときはコンパクトに折り畳めます。A5サイズ・14Pの場合は、全面を展開すると横幅1,036mmになるため、複数の面を使ってパノラマ写真をワイドに見せる使い方も可能です。
WAVEでは、標準的な蛇腹折りに加え、特殊な折り方にも対応しています。仕様の違いを整理すると、次のとおりです。
| 仕様 | 特徴 |
|---|---|
| 蛇腹折り | 標準的なアコーディオン状の折り方 |
| ずらし折り | 段差ができ、目的の面を開きやすい |
| 片見出し7面折り | 冊子のような見た目にしやすい特注仕様 |
「ずらし折り(ラップ付き蛇腹折り)」は、各面の折り幅をずらすことで段差が生まれ、目的の面が開きやすくなる仕様です。情報量の多い会社案内や商品カタログでも使いやすく、片見出しタイプと両面ラップ付きタイプの2種類から選べます。Webから直接発注できる点も特徴です。


また、特注対応として「片見出し7面折り(片見出し6山折り)」も取り扱っています。最終面を、中身のページを包むように逆向きに折る仕様で、ずらし折りと組み合わせると、インデックス付きの冊子のような仕上がりになります。別途納期や料金がかかるため、事前にWAVEへお問い合わせください。
【独自アンケート】印刷物でよくある困りごと丨製本方法の選び方
印刷物の制作に関わる方なら「どの製本方法を選べばよいかわからない」と悩んだ経験があるのではないでしょうか。
WAVEと株式会社NEXERが共同で実施した「法人印刷の課題に関するアンケート」(2025年10月〜11月、全国の男女121名対象)によると、印刷物の発注・制作で「困った経験がある」と回答した方は全体の32.3%にのぼりました。約3人に1人が何らかの困りごとを抱えている計算です。
さらに内訳を見ると「折り加工や製本方法の選び方が分からなかった」という回答は7.7%でした。製本方法の選択は、見やすさや携帯性、コストにも関わるため、迷いやすいポイントといえます。
迷ったときは、次の順で整理すると判断しやすくなります。
- 情報量はどれくらいか
- 配布時に持ち運びやすさが必要か
- 一覧性を重視するか
- 冊子にする必要があるか
情報をコンパクトにまとめつつ、広げて見せたい場合には、蛇腹折りが有力な選択肢になります。仕様に迷ったときは、印刷会社に相談してみるのもよいでしょう。
蛇腹折りを作るときの注意点
蛇腹折りは自由度が高い一方、データ作成の段階でいくつかの点に気をつけないと、仕上がりに影響が出ることがあります。ここでは、制作前に押さえておきたい注意点を解説します。
展開サイズと仕上がりサイズ
蛇腹折りの発注では「展開サイズ(折る前のサイズ)」と「仕上がりサイズ(折った後のサイズ)」の2つを正確に把握しておくことが大切です。
たとえば「A4で作りたい」と伝えた場合、それが折る前のサイズなのか、折った後のサイズなのかが曖昧になりやすいです。発注時は、次のように伝えると認識のズレを防ぎやすくなります。
- 仕上がりサイズ
- 折り方
- ページ数
例:仕上がりA4サイズ・外5つ折り・10P
WAVEの折パンフレット印刷は、折り加工後の仕上がりサイズが基準となっています。対応サイズや折り方の仕様は印刷会社によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
加工指示
蛇腹折りをWAVEへ発注する際は、以下の加工指示が必要です。データを作成する前に確認しておきましょう。
主に必要になるのは、次の3点です。
- 表紙(外面)になる面の指定
- 折り加工の位置の指示
- 表面・中面の指定(表裏の指示)
まず「表紙(外面)になる面の指定」が必要です。表紙として指定された面が表になるよう印刷・加工が行われます。次に「折り加工の位置の指示」です。データは見開きの状態で作成し、折り加工の位置がわかるようにデータ内で指示してください。
IllustratorのデータはWAVEの製品ページにあるガイドに沿って作成できますが、Photoshop、PDF、画像ファイルなどを使用する場合は、別途加工指示書の添付が必要です。
中面の幅

蛇腹折りのデータを作成するとき、中面(内側になる面)の幅の設定はとくに重要なポイントです。
WAVEでは、中面は両端の面と同幅かそれ以上に設定することが必要されています。また、中面を均等幅に設定することで、きれいな仕上がりになります。全ての面を異なる幅で設定することも可能ですが、その場合は別途納期や料金が発生する場合があります。
なお、横使いの場合は、表面と裏面で対応する面の位置が反転します。折り位置をずらす際は、とくに注意しましょう。データ作成時は、テンプレートを活用すると設定ミスを防ぎやすくなります。WAVEでは、折り加工用のトンボ・ガイド付きテンプレートを無料で用意しています。
納期延長や追加料金が発生するケース
蛇腹折りはさまざまな仕様に対応できますが、対応範囲内のサイズや仕様でも、以下の場合は別途納期や追加料金が発生することがあります。事前に把握しておきましょう。
- 短辺を折る場合
- 長辺と短辺の比率が極端に異なる形状の場合
- 折り幅が均一でない(ずらし折りの)場合
とくに、ずらし折りは各面に段差をつけることで、インデックスのように使える便利な仕様です。情報量の多いパンフレットでも、目的の面を開きやすくなります。 WAVEでは、このずらし折り(ラップ付き蛇腹折り)をWebから発注できるプランも用意しています。
ただし、折り幅が均一でない分、通常の蛇腹折りとは別の料金・納期となる場合がある点は覚えておきましょう。条件によっては対応できない場合もあるため、不明な点は事前に印刷会社へ問い合わせることをおすすめします。
用紙の選定
用紙の厚みは仕上がりの品質に直結します。WAVEの折り加工は、連量135kg以下の用紙のみ対応しています。180kg以上の厚紙については折り加工には非対応となっており、その場合は「スジ入れ加工」をご利用ください。
山の数(折り回数)が多くなるほど、折り重なった紙の厚みが増すため、やや薄めの用紙を選ぶとスムーズに折れます。一般的には、コート紙やマットコート紙の70kg〜135kgが折り加工に適しているとされています。
用紙の種類によっては、蛇腹折りに向かない紙質も存在します。用紙選びに迷った場合は、印刷会社に相談しながら選ぶことをおすすめします。
インクの割れ
蛇腹折りの制作で見落としがちなのが、折り目部分における「インクの割れ(背割れ・紙割れ)」のリスクです。

これは、折り加工をした際に、折り目部分の用紙の繊維が裂けることで、印刷面のインクが剥がれたり、紙の地色が見えて白く見えたりする現象を指します。とくに、次のような条件で起こりやすくなります。
- 110kg、135kgなど厚めの用紙を使う場合
- 折り目に濃いベタ塗りがある場合
- 折り位置に写真をまたがって配置する場合
対策としては、次の点を意識すると効果的です。
- 折り目部分に濃い色を置かない
- 広いベタ塗りを避ける
- 折り位置を意識してレイアウトする
どうしても折り目に色を載せたい場合は、事前に印刷会社へ相談し、仕様上問題がないか確認しておくと安心です。
まとめ
蛇腹折りは、山折りと谷折りを交互に繰り返して仕上げるアコーディオン状の折り加工です。コンパクトに持ち運びやすく、広げると大きな紙面を見せられるため、情報量と携帯性を両立しやすいのが特徴です。会社案内や施設パンフレット、イベント資料、観光マップなど、幅広い用途で活用できます。
また、冊子のような綴じ工程がないため、同程度のページ数で比較した場合はコストを抑えやすい傾向があります。面ごとに情報を整理しやすく、全面を展開して一覧性を高められる点も、蛇腹折りならではの魅力です。
一方で、制作時には展開サイズと仕上がりサイズの確認、中面の幅の設定、用紙選び、背割れへの配慮など、事前に押さえておきたいポイントもあります。こうした点を確認しておくことで、仕上がりのズレや手戻りを防ぎやすくなります。
WAVEの折パンフレット印刷では、蛇腹折り(6P・8P・10P・12P・14P)に対応しているほか、ずらし折り(ラップ付き)もWebから注文できます。蛇腹折りの仕様選びやデータ作成に不安がある方は、ぜひWAVEにご相談ください。













