旅先やイベント会場で撮った写真が、少し傾いていてがっかりした経験はないでしょうか。数度のわずかな傾きでも、名刺やチラシなど印刷物に使う写真では、仕上がり全体の印象を大きく左右してしまいます。
Photoshopには、こうした傾きを水平に整える方法がいくつも用意されています。
この記事では「ものさしツール」「切り抜きツール」「レンズ補正機能」の3つの方法について、それぞれの特徴や操作手順をわかりやすく解説します。
Photoshopで水平に画像を修正する方法|ものさしツール編

Photoshopで画像の傾きを補正する方法のなかでも、もっとも基本的で使いやすいのが「ものさしツール」です。操作がシンプルなため、
Photoshopを使い始めたばかりの方は、まずこの方法から覚えることをおすすめします。
ものさしツールは、画像内にある「本来まっすぐであるはずの線」を基準に傾きを測定し、自動で水平に補正する機能です。地平線や建物の窓枠、道路の白線などを基準にすることで、自然な仕上がりに調整できます。
名刺やポスター、パンフレットなどの印刷物に使用する写真はもちろん、WebサイトやSNS用の画像にも活用できるため、ぜひ覚えておくとよいでしょう。また、ものさしツールの仕組みを理解しておくと、後から紹介する「切り抜きツール」や「レンズ補正」の使い分けもしやすくなります。
まずは、Photoshopの基本機能であるものさしツールを使った補正方法から確認していきましょう。
1.ものさしツールを選択する

ものさしツールは、ツールバーのなかでも少し見つけにくい場所にあります。ツールバー自体が画面に表示されていない場合は、メニューの「ウィンドウ」から「ツール」にチェックを入れてみてください。
ツールバーが表示されたあと、スポイトツールのアイコンを長押しすると、隠れていたメニューが開きます。そのなかから、定規のようなアイコンが付いたものさしツールを選んでください。
見当たらない場合は、メニューの「イメージ」から「解析」を選ぶと、同じ機能を呼び出せます。バージョンや環境によって表示のされ方が異なることもあるため、ツールバーからの選択がわかりにくい場合は、こちらの方法もあわせて覚えておくと安心です。
初めて操作する方は、どちらか一方の方法を覚えておくだけでも十分に対応できます。
2.水平にしたい部分をドラッグする

ものさしツールを選んだら、画像の中で水平にしたい基準となる部分に沿ってドラッグします。
たとえば、地平線に合わせて画像の左端から右端まで一直線に引く、あるいは建物の窓枠の辺に沿ってなぞる、といった要領です。海であれば水平線、街並みであればビルの縦や横のライン、屋内であれば棚や机の縁など、身近な直線を基準にすると迷いにくくなります。
基準となる直線が画像にはっきり写っているほど、補正の精度も上がりやすくなります。画面を拡大表示しながら線を引くと、細かなずれにも気づきやすくなるため、おすすめです。
まっすぐな線を正確になぞるほど、後の補正結果も安定するため、焦らず丁寧に引くことを意識してみてください。手ブレでうまく引けなかったときは、一度やり直しても問題ありません。
3.レイヤーの角度補正をクリックする

線を引き終えたら、画面上部のオプションバーに表示される「レイヤーの角度補正」のボタンをクリックします。これだけで、引いた線が水平になるように画像全体が自動で回転する仕組みです。
難しい設定は必要なく、ワンクリックで完了するのが便利な点です。ボタンが見当たらない場合は、メニューの「イメージ」から角度を数値で入力することもできるため、あわせて覚えておくと迷わずに済みます。
補正が終わったら、画像を拡大して基準にした線が本当にまっすぐになっているかを確認しましょう。細かい部分までチェックしておくことで、傾きの見落としを防ぎ、よりきれいな仕上がりにつながります。
思ったとおりにならなかったときは、一度取り消してやり直しても問題ありません。特に名刺のように小さなサイズの印刷物は、わずかな傾きも目立ちやすいため、拡大確認にひと手間かけておくと安心です。
ただし、回転すると画像の四隅に余白ができることがあります。このとき、慌てて作業を中断してしまう方も少なくありませんが、対処法は難しくありません。
余白は切り抜きツールでトリミングするか、Photoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」という機能を使うと、周囲の模様になじませながら自然に埋められます。写真の端に写っていたものを大きく削りたくないときは塗りつぶしを、多少写真が小さくなってもよいので手早く仕上げたいときはトリミングを使うとよいでしょう。
仕上がりに不安があるときは、まずこの2つの方法を試してみてください。
なお、古いバージョンのPhotoshopでは、レイヤーの角度補正ボタンが表示されず、メニューの「イメージ」から角度を数値で入力する必要がある場合もあります。お使いの環境で操作方法が異なることもあるため、見当たらないときはメニューもあわせて確認してみてください。
Photoshopで水平に画像を修正する方法|切り抜きツール編
気軽に使える方法をもうひとつ知っておきたい方には、切り抜きツールがおすすめです。角度補正とトリミングをひとつの操作でまとめて行いたいときに便利な方法です。ものさしツールのように、補正後にあらためて余白を処理する手間がかからないため、スピーディーに仕上げたい場合に向いています。
特に枚数の多い写真をまとめて処理したいときや、SNS投稿用の画像をすぐに用意したいときには、作業時間の短縮にもつながります。カタログ用に商品写真を何十枚も整えるといった場面でも重宝する方法です。
普段からよく使うツールでもあるため、新たに覚える操作は少なく、すぐに実践しやすいのも魅力です。
1.角度補正をクリックする
切り抜きツールを選択すると、画面上部のオプションバーに「角度補正」のアイコンが表示されます。まずはこのアイコンをクリックして、角度補正モードに切り替えましょう。
切り抜きツールはよく使うため、アイコンの位置を覚えておくと、次回から迷わず操作できます。アイコンが見つからないときは、オプションバーの表示幅を広げると見つけやすくなります。
角度補正モードに切り替えると、画像の上に基準線を引くためのガイドが表示されます。このガイドを目印にすることで、水平にしたい部分の角度を正確に合わせやすくなります。
2.水平にしたい部分をドラッグする

ものさしツールと同じように、画像内の水平にしたい部分に沿ってドラッグします。線を引き終えると、その場で切り抜き範囲が自動的に決まるため、すぐに次の操作に進めるのが特徴です。ものさしツールのように補正専用のボタンを押す手間がなく、そのままトリミングまで完了する点が大きな違いといえます。

ただし、自動で切り抜き範囲が決まる分、写真の端に写り込んでいる大切な部分が範囲外に出てしまうこともあるため、確定する前に一度プレビューを確認しておくと安心です。
このとき、オプションバーにある「コンテンツに応じる」のチェックボックスをオンにしておくのがおすすめです。角度補正によって生じる余白を、周囲の画像になじむようAIが自動で補ってくれるため、トリミングで写真の一部が欠けてしまう心配を抑えられます。
被写体をできるだけ広く残したいときや、余白の処理に時間をかけたくないときは、ぜひ活用してみてください。慣れないうちは、まず簡単な写真で試し、仕上がりを確認してから本番の写真に使うと安心です。
ものさしツールと切り抜きツールのどちらを使うか迷った場合は「仕上がりを重視するか」「作業スピードを重視するか」で選ぶとわかりやすくなります。
余白をできるだけきれいに残したい場合はものさしツール、素早く補正したい場合は切り抜きツールがおすすめです。また、写真の端に重要な被写体が写っている場合は、画像が一部切り取られる可能性がある切り抜きツールよりも、調整の自由度が高いものさしツールのほうが適しています。
用途に合わせて2つのツールを使い分けられるようになると、作業全体の効率もぐっと上がります。
Photoshopで水平に画像を修正する方法|レンズ補正機能編
ここまで紹介したものさしツールと切り抜きツールは、主に画像全体の傾きを補正する方法でした。
一方、レンズ補正機能は、写真の傾きだけでなく、広角レンズで撮影した際に発生しやすい遠近感のゆがみまで補正できる機能です。建物や看板を下から見上げるように撮影した写真で、上部が細く見える「上すぼみ」の状態を整えたい場合に役立ちます。
たとえば、イベント会場の看板やポスター、商品パッケージ、建物の外観などを撮影すると、実際とは異なる形に見えてしまうことがあります。こうしたゆがみを補正することで、写真全体がより自然で見やすい印象になります。
特に、パンフレットやチラシなどの印刷物に使用する写真は、小さなゆがみでも目立ちやすいため、細部まで整えておくことが重要です。建築写真やイベント写真を扱う機会が多い方は、ぜひ覚えておきたい機能といえるでしょう。
操作は一見難しそうに見えますが、基本的な手順を覚えてしまえば、それほど複雑ではありません。ここからは、Photoshopのレンズ補正機能を使って、写真の傾きやゆがみを整える方法を解説します。
1.レンズ補正を選択する

メニューの「フィルター」から「レンズ補正」を選びます。
レンズ補正を開いたら、まずは「自動補正」タブを確認しましょう。Photoshopが画像の情報をもとに、傾きやレンズによるゆがみを自動で補正してくれます。カメラやレンズの情報が認識されている場合は、この段階で自然な仕上がりになるはずです。
ただし、傾きやゆがみがやや強い写真では、自動補正だけでは思うような結果にならないこともあります。そのようなときは、次の手順でより細かく整えていきましょう。
2.カスタムを選択する
「カスタム」タブに切り替えると、自動補正では不十分な部分を手動で微調整できます。タブ内には、傾きを整える「変形」の項目のほか、レンズのゆがみを直す「歪曲収差」や、写真の四隅の明るさを整える「周辺光量補正」なども用意されていますが、水平を整えたいときは主に「変形」の項目を使います。
ゆがみの度合いは写真ごとに異なるため、プレビューを見ながら少しずつ数値を動かして調整するのがコツです。一気に大きく変えるのではなく、変化を確認しながら進めると、自然な仕上がりに近づきます。
3.調整したい項目へ数値を入力する

「垂直方向の遠近補正」や「角度」のスライダーを動かしながら、写真のゆがみや傾きを調整します。
作業を進める際は、グリッドを表示しておくと便利です。建物の壁や看板のラインをグリッドに合わせることで、まっすぐ補正できているかを確認しやすくなります。グリッドの間隔は変更できるため、写真の大きさに合わせて見やすい設定にすると作業がスムーズです。
補正は一度に大きく動かすのではなく、全体のバランスを確認しながら少しずつ調整するのがポイントです。補正しすぎると、不自然な遠近感になってしまうことがあります。
また、傾きやゆがみを整えた後に、明るさや色味もあわせて調整すると、写真全体の完成度がさらに高まります。レンズ補正は使用頻度こそ高くありませんが、建物やイベント会場などを撮影する機会が多い方は、覚えておくと役立つ機能です。
こちらの記事では、イラレ(Illustrator)でオブジェクトやアートボードを回転させる方法を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
ここまで、Photoshopで画像を水平に整える3つの方法を紹介しました。正確に補正したいときはものさしツール、手早く仕上げたいときは切り抜きツール、ゆがみまで整えたいときはレンズ補正機能と使い分けてみてください。
とはいえ、補正に時間がかかったり、余白やゆがみ、仕上がりに不安が残ったりすることもあるでしょう。そのようなときは、思い切ってプロに任せるのがおすすめです。
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2024年9月9日に公開した記事をリライトしています。
この記事を書いた人:WAVEブログ編集部 デザインチーム
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