印刷用語集

2026.08.07  

チラシの由来とは?語源や歴史、フライヤー・ビラとの違いまで解説

チラシの由来とは?語源や歴史、フライヤー・ビラとの違いまで解説

普段何気なく受け取っているチラシは、スーパーの特売情報、近所のイベント告知、新規オープンした店舗の案内など、私たちの生活に深く溶け込んでいます。

では、そもそも「チラシ」という言葉はどこから来たのでしょうか。フライヤー、ビラ、リーフレットとは何が違うのでしょうか。言葉の由来や歴史を知ることで、チラシという媒体が持つ本質的な強みも見えてきます。

この記事では、チラシの語源と歴史から、混同されやすい他の印刷物との違い、チラシ広告の主な種類までをわかりやすく解説します。

チラシの由来とは?語源と歴史を解説

チラシは、日本語の動詞「散らす」を語源とする言葉です。江戸時代に生まれ、長い歴史を経て、現代では身近な広告媒体として定着しています。

まずは語源と、広告媒体として広まっていった背景を見ていきましょう。

チラシの語源

散らしからチラシへ

「チラシ」を漢字で書くと「散らし」となります。動詞「散らす」の連用形が名詞として定着したものです。

「散らす」には、広範囲にばらまく、分散させるといった意味があります。宣伝のために紙を配り広げる行為が、そのまま「チラシ」という言葉につながったと考えられています。

「チラシ」とカタカナで表記されるのは、動詞ではなく名詞として扱うことを字面でわかりやすくするためと考えられています。「チラシ寿司」のように、具材を散らして盛り付けた料理を指す場合にも使われることから「散らす」という動作が言葉の中心にあることがわかります。

チラシという呼び方が全国へ広まった経緯も興味深いものです。江戸時代の大阪では、引き札を人通りの多い場所で配る方法を「散らし」と呼ぶようになりました。この言い方が徐々に全国へと広まり、現在の「チラシ」という表現として定着していったとされています。

出典:レファレンス協同データベース「『チラシ』はなぜカタカナで表記するのか。」 (https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000020427&page=ref_view

チラシの歴史

チラシの歴史チラシの歴史

チラシの原型となる広告印刷物は、江戸時代には「引き札」と呼ばれていました。「引く」という言葉には、古くから「配る」という意味もあり、引き札は「配る札」を意味します。

引き札の始まりは、天和3年(1683年)にさかのぼります。呉服屋の三井越後屋が、日本橋駿河町への移転・新装開業にあわせて「現金掛け値なし(現金安売り掛け値なし)」という革新的な商法を1枚刷りの印刷物で告知し、江戸市中の各戸へ配布したことが始まりとされています。

掛け売りが一般的だった時代に、現金による定価販売を打ち出したこの商法は画期的でした。引き札による告知は大きな反響を呼び、商売の情報を広く届ける手段として注目されるようになります。

当初の引き札は文字中心のシンプルなものでしたが、時代が進むにつれてイラストや色を取り入れた華やかなものへと変化しました。さらに江戸後期の文化・文政期には庶民の購買力が高まり、飲食店、雑貨店、薬屋など幅広い業種で引き札が活用されるようになります。

明和6年(1769年)には、平賀源内が歯磨き粉の引き札を手がけたことでも知られています。引き札は江戸時代を代表する広告手段として定着し、商店と生活者をつなぐ役割を果たしていました。

明治時代に入ると、西洋の印刷技術が導入され、木版・石版から活版印刷へと技術が発展します。引き札はより大量かつ低コストで作れるようになり、商品の宣伝だけでなく、開店や改装の案内などにも広く使われるようになりました。

その後、新聞の普及にともなって折込チラシという形が生まれ、現代につながる配布スタイルが形づくられていきます。昭和に入ると、各戸の郵便受けへ直接投函するポスティングも広まりました。

高度経済成長期には、スーパーマーケットの台頭とともに特売チラシが定着します。チラシは消費者の購買行動に身近な存在となり、現在まで幅広い業種で活用され続けています。

チラシは単なる紙の広告ではありません。300年以上にわたり、人々の暮らしに寄り添いながら情報を届けてきた広告媒体です。

チラシの広告媒体としての特徴

デジタル広告が広く活用される現在でも、チラシは地域の店舗や事業者にとって有効な広告媒体です。紙で直接情報を届けられることから、認知拡大や来店促進、キャンペーン告知など、さまざまな場面で活用されています。

チラシの特徴

チラシは、発信側から生活者へ情報を届ける「プッシュ型」の広告媒体です。 受け手が自ら検索しなくても、店舗や商品、サービスの情報に触れてもらえるため、まだ自社を知らない潜在顧客へのアプローチにも向いています。

紙で配布されるため、情報を手元に残しておける点もチラシの特徴です。 割引クーポン、営業時間、地図、電話番号、キャンペーン期間など、後から確認したい情報を伝える際に役立ちます。

チラシのメリット

チラシは紙面全体を使って情報を整理しやすい媒体です。 商品写真、価格、サービス内容、地図、営業時間などを一覧で掲載できるため、複数の情報をまとめて伝えたい場合にも適しています。

特定の地域へ情報を届けやすい点も、チラシが活用される理由のひとつです。 来店や利用の範囲がある程度限られる飲食店、サービス業、不動産会社などにとっては、商圏内で認知を広げる手段として活用しやすい媒体といえます。

チラシのデメリット

チラシは印刷して配布するため、公開後に内容を修正することができません。 急な営業時間変更やキャンペーン内容の更新が発生した場合は、別途案内を行う必要があります。

また、チラシは受け取った人にすぐ処分される可能性もあります。 そのため、ターゲットや配布エリアを適切に設定し、興味を持ってもらいやすい内容やデザインを工夫することが重要です。

こうした課題を補うためには、自社WebサイトやSNS、予約ページなどのデジタル施策と組み合わせる方法が効果的です。チラシで興味を持ってもらい、詳細情報や最新情報はオンラインで案内することで、問い合わせや来店につなげやすくなります。

チラシとフライヤー、ビラ、リーフレットの違い

「チラシ」「フライヤー」「ビラ」「リーフレット」は、いずれも紙で情報を届ける印刷物です。ただし、語源や使われる場面、形状にはそれぞれ違いがあります。

混同しやすい4つの印刷物について、順に見ていきましょう。

チラシとフライヤーの違い

フライヤーチラシを英語に直訳するとFlyer(フライヤー)です。

フライヤーは、英語の「flyer」が語源で「空を飛ぶもの」を意味します。かつては飛行機や高い建物の屋上から紙をまく配布方法がとられていたことから、この名称がついたとされています。

※現在は、航空機から物を投下する行為は、航空法上、原則として禁止されています。

チラシとフライヤーには、厳密な規格上の区別があるわけではありません。ただし、一般的にはサイズや紙質、使われる場面に違いがあります。

チラシはA4やB4など、比較的大きなサイズが多く、新聞折込やポスティングで配布される傾向があります。一方、フライヤーはA6サイズのように小ぶりなものが多く、厚手の紙を使って手に取ったときの存在感を高めるケースが見られます。

フライヤーは、コンサート、演劇、展示会など、デザイン性が求められるイベント告知に多く使われます。店頭や会場に設置したり、来場者へ手渡したりする配布方法が主流です。

用途のイメージとしては、チラシがスーパーの特売や地域の店舗情報など、生活に密着した商業情報の告知に向いているのに対し、フライヤーはイベントやブランドの世界観を伝える告知に向いています。

ただし、これらはあくまで一般的な傾向です。実際には用途やデザインによって呼び方が使い分けられており、明確な線引きがあるわけではありません。

チラシとビラの違い

ビラ

ビラの語源には複数の説があります。「片・枚」を意味する「ひら」からきているという説のほか、英語で張り紙を意味する「bill」に由来するという説や、紙がびらびらとまかれている様子を表す言葉から生まれたという説もあります。

チラシとビラには、形状上の明確な違いはありませんが、使われる場面にはニュアンスの違いがあります。

ビラは、駅前や商業施設の周辺で通行人へ直接手渡ししたり、掲示板へ貼り出したりする形で使われることが多い印刷物です。政治的な主張、署名活動、街頭キャンペーンなど、強いメッセージを直接伝えたい場面で用いられる傾向があります。

新聞折込やポスティングを通じて広いエリアへ配布するチラシに対し、ビラは特定の場所で、その場にいる人へ直接届けるイメージです。

なお、街頭でビラを配布する場合は、場所や方法によって道路使用許可などが必要になることがあります。事前に自治体や管轄機関のルールを確認しておくことが大切です。

チラシとリーフレットの違い

リーフレット

リーフレットは英語の「leaflet」が語源で「小さな葉」を意味します。一般的には、1枚の紙に2つ折りや3つ折りなどの折り加工を施した印刷物を指します。

チラシとの大きな違いは、折り加工の有無です。チラシは基本的に折りのない1枚刷りで情報を伝えるのに対し、リーフレットは複数の面に情報を分けて整理できます。

そのため、リーフレットはサービスの利用手順、施設案内、商品紹介など、内容を段階的に伝えたい場合に適しています。コンパクトに折りたためるため持ち運びやすく、資料への同封にも向いています。

蛇腹折りや観音折りなど、加工の種類が豊富な点もリーフレットの特徴です。伝えたい情報量や見せ方に合わせて、構成を工夫しやすい印刷物といえます。

チラシ、フライヤー、ビラ、リーフレットは、いずれも紙で情報を届けるための印刷物です。語源や用途、配布方法の違いを理解したうえで目的に合った形式を選ぶことが、効果的な集客や情報発信につながります。

印刷物の形式を決めたら、次に検討したいのが配布方法です。チラシは、どのような方法で届けるかによって、届きやすい相手や活用しやすい場面が変わります。

こちらの記事では、POP(ポップ)について解説しています。 POPの役割や効果、成果につながる制作のコツも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

チラシ広告の主な種類

チラシにはさまざまな配布方法があり、手法によって届きやすいターゲットや活用しやすい場面が異なります。自社のビジネスや商圏に合った手法を選ぶことで、より高い効果が期待できます。

ここでは、代表的な5種類を紹介します。

ポスティングチラシ

ポスティングチラシは、個人宅や企業の郵便受けへ直接投函して配布するチラシです。新聞購読をしていない世帯にも届けられるため、幅広い層へアプローチできます。

配布エリアを丁目単位で細かく指定できるため、特定の商圏に絞った集客に適しています。新規開業の告知、季節ごとのキャンペーン、近隣住民向けのサービス案内など、地域に密着した情報発信に活用しやすい手法です。

また、デザインの自由度が高く、変形サイズや特殊な加工を施したチラシも配布できる点も魅力です。一方で、ポスティング禁止の建物があることや、配布コスト、管理体制を考慮する必要があります。

新聞折込チラシ

新聞折込チラシは、新聞紙面の間に挟み込んで配布する広告チラシです。新聞販売店を通じて、一度に多くの世帯へ効率よく届けられます。

新聞が持つ信頼感を活かしやすく、店舗や企業の認知向上にもつながります。特に、新聞を読む習慣がある地域住民へ情報を届けやすく、地域に根ざした店舗やサービス業との相性がよい手法です。

スーパーの特売情報、不動産の物件案内、地域イベントの告知など、比較的広いエリアに向けて情報を届けたい場合に適しています。

フリーペーパー折込チラシ

フリーペーパー折込チラシは、地域のフリーペーパーや情報誌に挟み込む形で配布するチラシです。

フリーペーパーは、地域や読者層に合わせて発行されていることが多く、ファミリー層、主婦層、シニア層など、特定のターゲットへ効率よくアプローチできます。

新聞折込では接点を持ちにくい世帯にも情報を届けやすく、配布チャネルを補完する手段として活用されています。

同封同梱チラシ

同封同梱チラシは、商品の発送封筒に封入したり、荷物に同梱したりする形で届けるチラシです。

すでに商品やサービスを購入した顧客へ届けられるため、関心度の高い層に訴求しやすい特徴があります。通販やECを活用している事業者にとっては、特に取り入れやすい方法です。

次回の購入を促すクーポン、関連商品の案内、会員向けキャンペーンの告知などに活用すると、リピート購入や追加購入につなげやすくなります。

デジタルチラシ

デジタルチラシは、インターネット上で閲覧できる電子版のチラシです。チラシ閲覧アプリ、SNS、自社Webサイトなどを通じて配信される形が一般的です。

印刷費や配布費がかからず、情報を更新しやすい点が大きなメリットです。配信後の閲覧状況を分析できるサービスもあり、紙のチラシと比べて効果測定を行いやすい場合があります。

紙のチラシにQRコードを掲載し、自社Webサイトや予約ページ、申し込みフォームへ誘導する方法も効果的です。紙で認知を広げ、デジタルで詳細情報を伝えることで、問い合わせや来店までの導線をつくりやすくなります。

※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

まとめ

チラシの由来は、宣伝のために紙を「散らす」という行為にあります。江戸時代の引き札を起源とし、現在まで長く活用されてきた広告媒体です。

デジタル広告が普及した現在でも、手元に残りやすい保存性や地域密着型の訴求力は、チラシならではの強みです。WebサイトやSNSと組み合わせることで、より高い集客効果も期待できます。

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WAVEブログ編集部 WEBチーム

この記事を書いた人:WAVEブログ編集部 WEBチーム

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