販促/マーケティング

2026.04.08  

POP(ポップ)にはどんな役割がある?主な効果や種類・制作のコツ

POP(ポップ)にはどんな役割がある?主な効果や種類・制作のコツ

売り場の反応は、POPひとつで変わります。同じ商品でも、伝え方が変われば「手に取られる」「比べられる」「買われる」確率が上がるからです。

POPは単なる値札や装飾ではなく、売り場で「最後の一押し」をつくるための販促ツールです。本記事では、POPの役割や効果から、設置場所・9種類の使い分け、成果につながる制作のコツまで解説します。

商業施設や飲食店におけるPOP(ポップ)とは

POPは「Point of purchase (advertising)」の略で、店頭や売り場など購入の直前に目にする場所に設置する販促物です。TVCMやSNS広告が「来店」を促すのに対し、POPはその場で「買う・買わない」の判断を後押しします。

のぼり、ポスター、プライスカードなど、形はさまざまですが、目的は共通して商品の魅力と情報を伝え、購買行動を促すことです。

商業施設や飲食店におけるPOPの役割

POPは店舗の売上や集客に大きく貢献する販促ツールです。ここでは、POPが果たす主な役割を5つ紹介します。

  • 顧客の購買意欲を高める
  • 商品を認知してもらえる
  • 商品情報を説明できる
  • 顧客を誘導できる
  • 店舗のイメージを演出できる

顧客の購買意欲を高める

POPの最も重要な役割は、顧客の購買意欲を高めることです。とくに、どの商品を購入するか決めかねている顧客や、目的の商品以外にも目を向けてほしい場合に効果を発揮します。

たとえば「期間限定」「数量限定」「売上No.1」など、キャッチコピーをPOPに記載すれば、迷っている顧客の背中を押してくれます。また、店員が一人ひとりに声をかけることは難しくても、POPは24時間、常に商品の魅力を伝えてくれる「無言のセールスマン」として機能します。

商品を認知してもらえる

新商品や季節限定商品、セール品など、とくに注目してほしい商品があるときにも、POPは有効です。売り場に並ぶ多数の商品の中から、目立たせたい商品にPOPを設置すれば、顧客の視線を集めることができます。

カラフルなデザインや大きな文字、イラストや写真を活用することで、遠くからでも目につきやすくなり、商品の存在を効果的にアピールできます。これまで商品を見落としていた顧客にも、商品を認知してもらえる機会になるでしょう。

商品情報を説明できる

POPは商品の詳細情報を補足する役割も担っています。パッケージだけでは伝えきれない使い方や素材のこだわり、おすすめポイントなどをPOPに記載しておけば、店員が個別に説明する手間を省けます。

また、店員に話しかけられることを好まない方、店員が忙しそうで声をかけづらいと感じる方にとっても、POPは貴重な情報源です。スタッフの接客を補完し、顧客が自分のペースで商品を選べる環境を整える効果があります。

顧客を誘導できる

POPは商品紹介だけでなく、店内の案内役としても活用できます。「レジはこちら」「試着室」「トイレ」といった誘導POPを設置すれば、顧客がスムーズに店内を移動でき、利便性の高い店舗という印象を与えられます。

また、特定の売り場やキャンペーンコーナーへ誘導するPOPを設置することで、顧客の動線をコントロールし、目玉商品や新商品への関心を高めることも可能です。

店舗のイメージを演出できる

POPは店舗の雰囲気づくりにも貢献します。季節やイベントに合わせたデザインのPOPを設置すれば、内装を大幅に変更しなくても、クリスマスや夏祭り、バレンタインといった季節感を演出できます。

また、手書きのPOPを使えば温かみのある親しみやすい雰囲気を、洗練されたデザインのPOPを使えば高級感やブランドイメージを表現できます。POPひとつで店舗全体の印象を左右できるため、ターゲット層に合わせた演出が重要です。

POPの基本的な設置場所

POPは設置場所によって期待される効果が異なります。ここでは、代表的な3つの設置場所とその目的を解説します。

設置場所 目的 向いているPOP
店頭 通行人の注意を引き、入店を促す ・のぼり
・ポスター
・A型看板
店内 雰囲気づくり
・回遊促進
・購買意欲アップ
・タペストリー
・壁面ポスター
・吊り下げフラッグ
商品まわり 迷いを減らし、購入の最終判断を後押し ・プライスカード
・卓上POP
・スイングPOP

店頭

店頭のPOP

店頭に設置するPOPは、通行人の視線を引きつけ、店内への誘導を促すことが主な目的です。のぼりやポスター、A型看板などの大型POPが適しており、遠くからでも目につきやすいデザインが求められます。

店頭POPには、店舗名や営業時間、セール情報、季節のおすすめ商品などを記載します。通行人が「この店に入ってみよう」と思うきっかけを作ることが重要です。

店内

レジ横のPOP

店内に設置するPOPは、掲示場所に応じた大きさで作ります。

大型POPは店舗全体の雰囲気を盛り上げ、購買意欲を高める役割を持ちます。キャンペーン情報やブランドコンセプト、季節のテーマを訴求しましょう。タペストリーや壁面ポスター、天井から吊るすフラッグなどを用いるのが一般的です。

一方、小型POPは店舗の公式アカウントの告知やおすすめ商品のPR、お買い得情報の発信などに役立ちます。レジ横や商品棚などに配置しましょう。

店頭POPで訴求した内容と連動させることで、統一感のある店舗演出が可能になります。

商品まわり

商品の近くに設置するPOPは、特定の商品を直接アピールし、購買の最終判断を促す役割を果たします。プライスカード、卓上POP、スイングPOPなどが該当します。

商品まわりのPOPには、価格や商品名だけでなく、おすすめポイントや使用シーン、利用者の声などを盛り込むことで、購入の決め手を提供できます。

POPの主な種類

POPにはさまざまな種類があり、それぞれに適した用途や設置場所があります。ここでは代表的な9種類を紹介します。

種類 設置場所 用途
のぼり 店頭 遠目で集客・入店促進
タペストリー・フラッグ 店内 世界観・季節感の演出
バナースタンド 店内 移動できる告知
ポスター 店内/店頭 キャンペーン告知
トップボード 売り場 コーナーの目印・誘導
ブラックボード 店内/店頭 手書きで日替わりの訴求
シール・ステッカー 商品 新発売・限定などのアピール
卓上POP レジ横/売り場 購入の後押し・衝動買い
デジタルサイネージ 店内/店頭 動画で効果的な訴求

のぼり

のぼりは店頭に立てる旗状のPOPで、風になびくため遠くからでも目につきやすく、高い集客効果が期待できます。飲食店や小売店、イベント会場など、幅広い業種で活用されています。

屋外設置が基本となるため、耐久性のある素材を選び、悪天候時には適切に管理する必要があります。

タペストリー・フラッグ

メニュー紹介のPOP

タペストリーやフラッグは、壁面や天井から吊るして使用するPOPです。店内の広いスペースを活用して、大きくブランドイメージや商品情報を訴求できます。

季節ごとにデザインを変更しやすく、店内の雰囲気づくりに効果的です。

バナースタンド

バナースタンドは自立式で移動が容易なPOPです。店内のレイアウト変更に柔軟に対応でき、イベントや催事場でも活躍します。

設置や撤去が簡単なため、短期間のキャンペーンにも適しています。

ポスター

ポスターは壁面や窓に貼り付けるPOPで、視認性・デザインの自由度が高いのが特徴です。比較的低コストで制作できるため、多くの店舗で導入されています。

店頭と店内の両方で活用でき、商品情報やキャンペーン告知に幅広く使えます。

トップボード

トップボードは什器や棚の上部に設置する大型POPです。売り場全体を目立たせる効果があり、遠くからでも視認しやすいため、特定のコーナーへの誘導に適しています。

ブラックボード

ブラックボードは黒板やホワイトボードを活用したPOPで、手書きで自由に情報を書き込めることが特徴です。飲食店の日替わりメニューや、小売店の本日のおすすめ商品などに活用されています。

手書きならではの温かみがあり、親しみやすい雰囲気を演出できます。

シール・ステッカー

シールやステッカーは商品パッケージに直接貼り付けるPOPです。「新発売」「期間限定」「特価」などのアテンションシールは、商品を目立たせ、購買意欲を刺激する効果があります。

卓上POP

メニュー紹介のPOP

卓上POPはテーブルやレジ横、商品棚に置く小型のPOPです。飲食店のメニュー紹介やレジ前の衝動買いを促す商品のアピールに効果的です。

コンパクトながら顧客の目に留まりやすく、購買の最後の一押しを担います。

デジタルサイネージ

デジタルサイネージは液晶ディスプレイを使った電子POPで、動画や音声を活用して情報を伝えられます。紙のPOPに比べて情報量が多く、複数の商品やキャンペーンを順番に表示できる点が特徴です。

初期費用はかかりますが、更新が容易で長期的なコスト削減につながる可能性があります。

POPは誰が作るもの?

POPの制作者によって、内容やデザインの傾向が異なります。ここでは、主な制作者を3つ紹介します。

店舗スタッフ

店舗スタッフが手書きで作成するPOPは、現場のリアルな声を反映しやすく、温かみや親しみやすさを演出できます。とくに、スタッフのおすすめポイントや実際に使ってみた感想など、現場ならではの情報を盛り込めることが強みです。

ただし、デザインのクオリティにばらつきが出やすく、店舗ごとに統一感を保つことが課題となる場合があります。

メーカー

商品を製造するメーカーが提供するPOPは、デザインのクオリティが高く、ブランドイメージを統一しやすいことが特徴です。商品の特徴やコンセプトを正確に伝えられるため、信頼性も高まります。

一方で、店舗独自の視点や現場の声が反映されにくく、画一的な印象になることもあります。

流通

流通業者や小売チェーン本部が作成するPOPは、複数店舗での統一感を保ちやすく、ブランド価値の維持に貢献します。デザインや表現のルールが明確なため、店舗間での品質のばらつきを抑えられます。ただし、個別店舗の特性や地域性を反映しづらいという側面もあるでしょう。

なお、効率と品質のバランスを重視するなら、印刷通販サービスを活用して外注する方法もあります。プロのデザインと高品質な印刷を低コストで実現できるため、多くの企業で導入が進んでいます。

効果の出るPOPを作る際のポイント

POPの効果を最大化するには、制作時のポイントを押さえることが重要です。ここでは、成果につながる6つのポイントを紹介します。

  • 目的とターゲットに合わせた訴求内容を考える
  • 伝える情報は絞り込む
  • 特徴ではなくベネフィットを伝える
  • 写真やイラストで視覚的にアピールする
  • 季節やイベントのテイストを取り入れる
  • お客様を次のアクションへ導く

目的とターゲットに合わせた訴求内容を考える

POPで最も大切なのは「誰に」「何を」伝えたいのかを明確にすることです。ターゲット層が不明確なまま制作すると、誰にも刺さらないPOPになってしまいます。

たとえば、若年層向けなら親しみやすいカジュアルなトーンで、シニア層向けなら読みやすい大きな文字と丁寧な説明を心がけましょう。顧客がPOPを目にする時間はわずか数秒です。その短い時間で確実に伝わる内容に絞り込むことが重要です。

伝える情報は絞り込む

POPに情報を詰め込みすぎると、かえって読まれなくなります。最も伝えたいメッセージをひとつに絞り、シンプルでわかりやすい表現を心がけましょう。

たとえば「この商品のここがすごい」というポイントをひとつだけ大きく強調し、補足情報は小さく添える程度にとどめます。情報量を絞ることで、顧客の目に留まりやすくなり、記憶にも残りやすくなります。

特徴ではなくベネフィットを伝える

商品の特徴を並べるだけでは、顧客の購買意欲を引き出すことは難しいです。重要なのは、その商品を使うことで顧客にどんな良い変化があるのか、つまりベネフィットを伝えることです。

たとえば「インクの乾きが早い」という特徴ではなく「左利きでも手が汚れない」というベネフィットを伝えることで、顧客は自分ごととして商品を捉えやすくなります。

写真やイラストで視覚的にアピールする

文字だけのPOPよりも、写真やイラストを活用したPOPのほうが目を引きやすく、商品の魅力を直感的に伝えられます。とくに、実際の使用シーンを撮影した写真は、顧客の想像力を刺激し、購買意欲を高める効果があります。

また、色使いも重要です。暖色系は購買意欲を高め、寒色系は清潔感や信頼感を与えるといわれています。商品のイメージに合った配色を選びましょう。

季節やイベントのテイストを取り入れる

日本人は季節感を大切にする文化があります。春ならパステルカラー、夏ならビビッドな色、秋なら落ち着いた暖色、冬なら冷たい寒色といった具合に、季節に合わせた色使いやデザインを取り入れることで、顧客の共感を得やすくなります。

また、クリスマスやバレンタイン、母の日といったイベントに合わせたデザインも効果的です。時期に合わせてPOPを更新することで、店舗に常に新鮮な印象を与えられます。

お客様を次のアクションへ導く

POPの役割は情報を伝えるだけでなく、顧客を次のアクションへ誘導することです。たとえば、QRコードを設置して詳細情報へのアクセスを促したり「お気軽にスタッフへお声がけください」という一言を添えたりすることで、購買へのハードルを下げられます。

また「今だけ」「残りわずか」といった限定性を強調する言葉も、購買の決断を後押しする効果があります。

【補足】POPの効果を最大限に出すなら社内でルール策定を

POPの制作では、デザインやキャッチコピーのクオリティが顧客の購入意思を左右します。品質にばらつきがあると印象も安定しないため、誰が作っても一定水準を保てるよう、社内ルールの策定が重要です。

しかし実際には、このような取り組みをしている企業は少数です。

独自調査では「複数の印刷物を作成する際、デザインの統一感を意識していますか?」という質問に対し「非常に意識しており、ガイドラインに沿って制作している」は全体の20.7%にとどまりました。

一方「ある程度意識しているが、明確なルールはない」が58.7%となっており、統一ルールの必要性は意識していても実行できていない企業が多数というのが実情です。

調査データ引用元:https://www.wave-inc.co.jp/weblog/?p=31651

もちろん個人差はありますが、組織全体のクオリティ向上のため、着手しやすいところからルール作りを進めることをおすすめします。

POPを設置する際に注意すべきポイント

POPは効果的に活用すれば売上向上に貢献しますが、使い方を誤ると逆効果になることもあります。ここでは、設置時に注意すべきポイントを解説します。

  1. 多用しすぎない
  2. 装飾にしない
  3. 放置しない
  4. 法令遵守(最重要)

【1. 多用しすぎない】

POPを多用しすぎると店内が雑然とした印象になり、かえって顧客に不快感を与えてしまいます。とくにシンプルさを重視したブランドや高級感を演出したい店舗では、POPの乱用はブランドイメージを損なうおそれがあります。情報過多にならないよう、設置する数や場所を厳選するのがポイントです。

【2. 装飾にしない】

POPはあくまで広告であり、装飾ではありません。デザインが派手すぎて商品よりも目立ってしまう可能性があります。また、店舗のコンセプトと合わないデザインだと、本来の目的を果たせなくなります。POPは商品を引き立て、購買につなげるためのツールであることを忘れずに制作しましょう。

【3. 放置しない】

POPを長期間放置すると、情報が古くなったり、色あせたりして逆効果です。季節やキャンペーンに合わせて定期的に更新し、常に新鮮な情報を提供しましょう。

【4. 法令遵守】

最も重要なのが、法令遵守です。景品表示法や薬機法に抵触する表現は避けなければなりません。根拠のない「No.1」表記や「絶対」「永久」といった断定的な表現は法律に触れるリスクがあります。POPを制作する際には、法的なチェックも忘れずに行いましょう。

出典:e-GOV法令検索「不当景品類及び不当表示防止法第5条(不当な表示の禁止)」 (https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000134#Mp-Ch_2-Se_1

出典:厚生労働省ホームページ「薬品等の広告規制について(誇大広告等)」 (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/koukokukisei/index.html

まとめ

POPは店舗の売上や集客に大きく貢献する販促ツールです。購買意欲を高め、商品認知、情報補足、顧客誘導、店舗イメージ演出の5つの役割を果たします。

効果的なPOPを制作するには、以下のポイントを押さえましょう。

  1. ターゲットを明確にする
  2. 情報を絞り込む
  3. ベネフィットを伝える
  4. 視覚的にアピールする
  5. 季節感を取り入れる
  6. お客様を次のアクションへ導く

さらに、社内ルールでデザインの型を作れば、誰が作ってもブレにくくなり、売り場全体の完成度が上がります。「何から用意すればいいか分からない」「仕上がりの品質に自信がない」という場合は、必要なPOPを目的別に揃えられるサービスを使うのが近道です。

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