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知っておくと便利!並製本と上製本の違いと特徴

こんにちは。先日まで風邪でノドをいためていたハヤカワです。今は花粉で目がウルウル。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

最近、製本のワークショップを見かけることが増えたなぁと個人的に興味を持っているワタクシ。自分だけの特別な一冊が作れるってイイですよね。
さて、今回のテーマは「並製本と上製本」です。製本の違いや特徴にスポットをあててみたいと思います♪今回もどうぞお付き合いください。

製本ってなあに?

バラバラな紙をまとめて表紙をつけ、本にすることを「製本」といいます。

製本には、簡易に製本された「並製本」と、別仕立ての表紙(ハードカバー)で本文をくるんで製本する「上製本(ハードカバー製本)」があります。

並製本は雑誌やパンフレット・カタログなどに、上製本は記念誌や卒業アルバムなどに用いられることが多いですね。

並製本と上製本の製本方法の違いと特徴

並製本とは

並製本は、接着剤や針金や糸、リングなどで簡易に綴じられた冊子です。綴じ方によって「中綴じ」「無線綴じ」などに分類されます。

並製本の特徴として、表紙は柔かく、本文と同じ大きさとなります。上製本と比べると簡易な作りの反面、低コストで作成できる点がメリットです。

並製本はソフトカバーとも呼ばれ、週刊誌や雑誌、新書、文庫本など、日常において目にすることが多い製本方法です。

上製本(ハードカバー製本)とは

上製本は、別仕立ての厚い表紙で本文をくるんで製本します。厚紙の芯を用いた硬い表紙はハードカバーと呼ばれています。

並製本に比べて製本工程が多い分、製作費用はかかりますが、ハードカバーを使って製本する上製本は、耐久性に優れ、長期保存に適した冊子となります。

ポイントは「チリ」!

上製本の特徴は、表紙が本文よりもひとまわり大きいこと。ハードカバー(表紙)と本文との寸法の差を「チリ」と呼びます。チリがあることで、本文をしっかりと保護することができます。

また上製本は、表2表3にあたる部分に本文または見返し紙を貼り付けて表紙と本文を固定します。上製本はこの見返し用紙が選べることも楽しみのひとつ。たかが見返し用紙とお思いかもしれませんが、色味や紙種など製本のイメージを変える大切なパーツの一つです。

上製本は、社史や記念誌のほか、卒業や卒園アルバムなど格調高い冊子はもちろんのこと、変型サイズやスクエア型で、フォトブックや画集、絵本の制作にぴったりです。

右綴じ?左綴じ?右開き?左開き?

余談にはなりますが、冊子の綴じ方向について解説します。

綴じ方向に明確な決まりがあるわけではありませんが、たとえば、コミック誌やマンガ、小説など本文が縦書きの場合は「右綴じ」、数学や英語の教科書など、本文が横書きの冊子は「左綴じ」となります。

右綴じ・右開き

表紙を表にして見た際に、右側の辺が綴じられているのが「右綴じ」です。ページを右方向(左から右へ)めくっていくので「右開き」とも呼ばれます。

左綴じ・左開き

表紙を表にして見た際に、左側の辺が綴じられているのが「左綴じ」です。ページは左方向(右から左へ)めくっていくので「左開き」とも呼ばれます。

天綴じ・上綴じ

ページを下から上にめくっていく冊子は「天綴じ(上綴じ)」です。

冊子のデータを作成する際は、製本の方法と右綴じなのか左綴じなのかによって、ノドの余白(ノドアキ)や小口の余白の取り方が変わってくるので、原稿を作成する前に製本方法と綴じ方向を決めておきましょう。

まとめ

並製本 中綴じ冊子 2つ折りにした用紙の中心を針金(ホチキス)で綴じて製本
無線綴じ冊子 背に当たる部分をのり付けし、表紙を貼り付ける
スクラム製本冊子 中綴じと同様、2つ折りにした用紙を重ね合わせてまとめる。綴じはなし。
平綴じ 重ね合わせた用紙の背の近くを、針金(ステープラ)などで綴じる製本
上製本 本文と別仕立ての厚い表紙(ハードカバー)でくるんで製本

一般的には永く保存しておきたいものは上製本、製本のコストを抑えるなら並製本というところでしょうか。

上製本は、本文の製本方法にいくつか種類があります。弊社の上製本冊子印刷では、無線綴じの一種である「PUR製本」を採用しております。

さて、最後に。並製本か上製本、あえて選ぶとしたら?!

…うーーん。電子ブックよりまだまだ紙派の私。ゴロゴロしながらの読書はサイコー!というわけで、今回は柔らかい並製本に一票です。

用途でお選びいただくことも大切ですが、好みで選んでも楽しめるのが製本の魅力でもあると思います。どうぞ素敵な一冊を作ってくださいね!

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